「私立の通信制は思ったより高かった。公立なら何とかならないだろうか」——学費を調べはじめた保護者の方が、次に検索するのがこの言葉だと思います。

結論から言うと、公立の通信制高校は確かに費用が大きく違います。ただ、費用の前に確認しておくべきことが3つあります。 どこにでもあるわけではないこと、住んでいる場所によっては出願そのものができないこと、そして登校の仕方と卒業までにかかる年数が、私立とは前提から違うことです。

公立の通信制について、私は当事者ではありません。ですから並べるのは、文部科学省の全国調査と、5つの自治体の入学者選抜要項・公立通信制高校の公式Q&Aを実際に開いて確かめた事実です。学費の読み方のところだけ、FP2級として補足します。どちらが良いという結論は出しません。判断材料をそろえることが目的です。

結論:公立と私立の違いは、費用より「通える条件」に出ます

先に全体像を1枚にまとめます。金額の差はいちばん分かりやすい違いですが、実際に選択肢を狭めるのは、出願資格と登校の頻度のほうです。

項目公立の通信制私立の通信制
学校数81校(全体の25.1%)227校(同70.3%)
出願できる範囲狭域が79校(97.5%)=原則その都道府県の在住・在勤者広域が116校(51.1%)=全国から出願できる学校が多い
登校のしかた週または隔週の定期登校が基本週5〜週1、集中スクーリングまでコースで選べる学校が多い
集中スクーリング型のコース81校中1校227校中98校
修業年限3年が77校/4年が4校3年が227校/4年は0校
3年間の在籍で卒業した人の割合33.4%51.3%
4年以上在籍している生徒25.6%1.9%
スクールカウンセラーに相談できる体制98.8%79.7%
スクールソーシャルワーカーに相談できる体制91.4%19.4%
授業料の目安1単位あたり330〜700円程度学校差が大きい。就学支援金で相殺される場合も

(学校数・割合はいずれも文部科学省「令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について」令和8年8月31日公表・調査時点は令和7年5月1日/2026年9月16日確認。授業料は後述の各校公式資料より)

この表でいちばん見落とされやすいのが、2行目です。 学費表を並べる前に、そもそも出願できる学校が地元に何校あるのかを確かめる必要があります。

公立の通信制高校とは?——全国で81校、1県あたり1.7校

公立の通信制高校とは、都道府県や市町村が設置する高校に置かれた通信制の課程のことです。 私立や株式会社立と同じ「高等学校」で、卒業すれば同じ高校卒業資格になります。

1つ目の確認は、学校の数です。 規模を数字で見ます。文部科学省の令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果によると、通信制課程を置く高校323校の内訳はこうなっています。

設置者学校数割合
公立81校25.1%
私立227校70.3%
株式会社立15校4.6%

81校を47都道府県で単純に割ると、1県あたり1.7校です。 これは平均であって、実際の分布はもっと偏っています。

つまり「公立という選択肢」は、多くの地域で具体的には1〜3校を指しています。私立のように十数校を比べる話にはなりません。通信制高校そのものの仕組みは通信制高校とは?仕組みと全日制との違いにまとめてあるので、前提から確認したい方はそちらもどうぞ。

公立に出願できるのは、その都道府県に住んでいる人だけですか?

原則としてそうです。これが2つ目の確認で、公立を検討するときに最初にぶつかる壁になります。

まず全国の数字から。同じ実態調査には、広域か狭域かの内訳が載っています。

設置者広域狭域合計
公立2校79校(97.5%)81校
私立116校(51.1%)111校227校
株式会社立15校(全校)0校15校

広域の通信制の課程とは、その高校のある都道府県だけでなく、全国的に他の都道府県に住所を有する人も併せて生徒とする課程のことですe-Gov法令検索・学校教育法第54条第3項 昭和二十二年法律第二十六号・令和8年6月17日施行時点/2026年9月2日確認)。逆に言えば、狭域の学校は全国募集をしていません。

N高グループのように全国どこからでも出願できる学校に慣れていると見落としがちですが、公立の通信制は97.5%が狭域です。

実際の要項を3つ読んでみました

一般論ではなく、各自治体が公表している原文を確認します。

東京都令和8年度 東京都立高等学校入学者選抜実施要綱 第2-3-1・定時制を志願する者。通信制課程の実施要綱がこの応募資格を準用します)

都内に住所又は勤務先を有し、入学後も引き続き都内に住所又は勤務先を有することが確実な者

神奈川県令和9年度神奈川県公立高等学校の入学者の募集及び選抜実施要領 志願資格2)

高等学校の定時制の課程及び通信制の課程への志願者は……かつ、県内に住所又は勤務地を有する者とする。

大阪府令和8年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項 第1 全般的な事項 Ⅲ 応募資格2)

定時制及び通信制の課程にあっては、(1) 本人の住所又は勤務先が府内にある者 (2) 入学日までに勤務先が府内になることが確定している者

いずれも2026年9月2日確認です。共通しているのは「住所または勤務先」という書き方で、県外に住んでいても県内に勤務先があれば出願できる余地が残されています。大阪府の令和8年度実施要項 第7 一般入学者選抜の書類一覧にも、通信制の課程・全日制の課程のいずれにも「(他府県在住で、勤務先が府内にある者のみ)事業主による勤務証明書」を登録する、という項目があります。

福岡県立博多青松高等学校のFAQには、入学資格として住所の要件は書かれていませんが、「県外からの出願及び特別な事情がある場合は、必ず事前にご相談ください。」と案内されています(2026年9月2日確認)。書き方は自治体ごとに違うので、地元の要項を読むしかありません。

東京都の場合、通信制課程の応募資格にはもうひとつ条件が加わります。上の定時制の応募資格を満たしたうえで、「当該都立高校が実施する面接指導(スクーリング)に対応(出席)可能な者」であることが要件です(令和8年度東京都立高等学校通信制課程入学者選抜実施要綱 第1-3)。住所だけでなく、実際に通えるかどうかも資格の一部になっている、ということです。

公立と私立で、登校の頻度はどれくらい違いますか?

3つ目の確認は、登校の頻度と卒業までの年数です。まず登校から。 同じ「通信制」でも、生活の形が変わるほど違います。公立は週または隔週の定期登校が基本です。

実態調査には、通学頻度別のコースをどれだけの学校が開設しているかという集計があります。

コース公立(81校中)私立(227校中)
週5通学1校82校
週1通学39校82校
いわゆる集中スクーリングを前提としたコース1校98校
その他(月1〜2回通学、都合の良い日に通学など)39校82校

生徒数で見ると、差はもっとはっきりします。公立の在籍61,065人のうち、週1通学コースが19,197人、その他が35,397人。集中スクーリングを前提としたコースはわずか19人です。一方、私立214,272人のうち集中スクーリングを前提としたコースが68,578人を占めています。

「年に数日だけ登校すればいい」という形は、私立と株式会社立の領域だということです。

実際の学校の登校日を並べてみました

公式サイトの記載を、そのまま並べます(いずれも2026年9月2日確認)。

学校登校日
東京都立一橋高等学校土曜日にスクーリング。科目ごとに年間の出席回数が決まっている(数学Ⅰは3回、生物基礎は8回、体育Ⅰは10回、英語コミュニケーションⅠは12回以上)
大阪府立桃谷高等学校昼間部=月・水・金の10時30分から6時間/日夜間部=月・金の夜間18時から3時間と日曜9時30分から6時間
神奈川県立横浜修悠館高等学校日曜講座(日曜登校)と平日講座(平日登校)を、科目ごとに選べる
福岡県立博多青松高等学校土曜日と日曜日。年間18回。45分×6時限(2回に1回は90分4時限)
北海道有朋高等学校実施校(札幌)は日曜17日・火曜17日。協力校は日曜を中心に年間20日程度

比較のために書いておくと、N高グループのスクーリングは公式サイトの案内で1年次・3年次が7〜8日間程度、2年次が8〜10日間程度(いずれも期末のテストを含む)です。会場や日程の詳細はN高のスクーリングは年何日?にまとめました。

桁が違います。 公立の多くは「毎週または隔週、決まった曜日に学校へ行く」生活で、私立の集中型は「年に数回まとめて行く」生活です。どちらが良いという話ではなく、本人がどちらの形なら続けられるかという話になります。

だからこそ、登校の頻度を見るときは、回数そのものより「その曜日のその時間に、この子は起きられるか」で考えたほうが実際に近いと思います。土曜や日曜のスクーリングは、平日に生活リズムが乱れている状態からだと、意外と負担が大きい場合があります。

公立の通信制高校は、3年で卒業できますか?

制度上は、公立でもほとんどの学校が3年です。ただし、実際に3年で出ている人の割合は私立より大きく下がります。

まず制度から。実態調査の「修業年限の別」はこうなっています。

設置者3年4年合計
公立77校(95.1%)4校(4.9%)81校
私立227校(全校)0校227校
株式会社立15校(全校)0校15校

(修業年限「3年」は「3年以上」と回答した学校を、「4年」は「4年以上」と回答した学校を含みます)

「公立は4年制」という説明を見かけることがありますが、現在の全国の分布としては正確ではありません。 4年と回答した公立は4校です。

では、実際に何年かかっているのか

ここからが本題です。同じ調査の「令和6年度卒業生数(在籍期間別)」を見ると、景色が変わります。

在籍期間公立(9,215人)私立(71,729人)
1年未満3.2%6.6%
1年以上3年未満38.5%39.6%
3年間33.4%51.3%
3年より長く4年未満3.9%0.9%
4年間11.6%0.9%
4年より長く6年未満4.8%0.4%
6年以上4.5%0.1%

3年間の在籍で卒業したのは、公立で33.4%、私立で51.3%。 そして4年以上かけた人は、公立で20.9%(1,928人)、私立で1.5%(1,072人)でした。

在籍中の生徒で見ても同じ傾向です。令和7年5月1日時点で4年以上在籍している生徒は、公立25.6%に対し私立1.9%。公立では4人に1人が4年目以降にいる計算になります。

理由は、年間に履修できる単位数にあります

なぜこうなるのか。公式Q&Aを読むと仕組みが見えてきます。

北海道有朋高等学校通信制Q&Aには、こう書かれています(2026年9月2日確認)。

中卒資格の方は標準的には4年(最短で3年)です。1年次に20単位をすべて修得した人は、希望すれば「修業年限3年」コースを選択することもできます。

同じQ&Aによると、1年次に学習するのは20単位、2年次以降の上限は25単位です。卒業には74単位以上が要りますから、20+25+25=70で、3年目の終わりには4単位足りない計算になります。だから標準が4年で、1年次に20単位を落とさず取り切った人だけが3年コースを選べる、という設計です。

一方、東京都立一橋高等学校のQ&Aは「本校では3年間で卒業出来るようにカリキュラムを組んでいます」と書いています。大阪府立桃谷高等学校も「卒業要件を満たせば、最短で3年での卒業が可能です」とし、1年間に受講できる上限を原則30単位としています。

同じ公立でも、学校によって前提が違います。 志望校を1校に絞って、年間の履修上限単位数を確認するのが確実です。

ここまでが、費用の前に確認しておきたい3つ——学校の数、出願資格、そして登校と年数の前提です。この3つで「そもそも候補になるか」がほぼ決まります。ここから先は、候補になったうえで私立と見比べるときの材料を並べます。

公立はサポートが薄いのですか?

「公立は安いがサポートが薄い」とよく言われますが、相談体制の配置で見ると、数字は逆でした。

実態調査から、令和7年5月1日時点の体制を並べます。

項目公立私立株式会社立
スクールカウンセラーに相談できる体制がある80校/81校(98.8%)181校/227校(79.7%)12校/15校(80%)
スクールソーシャルワーカーに相談できる体制がある74校/81校(91.4%)44校/227校(19.4%)6校/15校(40%)
教員のうち専任の割合68.9%40.1%45.5%

スクールソーシャルワーカーの差が大きいのが目を引きます。スクールカウンセラーが心理面の相談を受けるのに対し、スクールソーシャルワーカーは福祉の側から家庭や関係機関に働きかける役割です。公立が9割超、私立が2割弱でした。

教員の専任率にも差があります。公立は教諭等・講師3,029人のうち2,087人(68.9%)が専任で、私立は15,224人のうち6,109人(40.1%)です。私立の講師9,043人のうち5,950人(65.8%)は「連携する面接指導等実施施設」が主な勤務場所と回答しています。これは学校の外の施設で指導にあたっている人が多い、ということです。この構造については通信制高校とサポート校の違いで整理しました。

ただし、私立には私立の強みがあります

これは公立が優れているという話ではありません。同じ調査の別の項目を見ると、私立の設計思想が見えてきます。

面接指導に1年間まったく来ていない生徒への対応として各校が挙げた項目には、傾向の違いが出ていました。公立はスクールカウンセラーによるカウンセリング機会の充実(50校)、スクールソーシャルワーカーによる関係機関への働きかけ(30校)が並び、私立はプロジェクト型学習や体験活動などを中心とした授業の工夫(30校)、簿記や秘書検定等の資格取得の推進(25校。公立は0校)が並びます。

ただし公立81校・私立227校と母数が違ううえ、この集計は該当する生徒がいない学校を除いた数なので、校数をそのまま比べることはできません(たとえばキャリア教育や進路相談の充実は公立20校・私立56校で、母数に対する割合はほぼ同じでした)。

公立は「相談・福祉」で、私立は「学ぶ動機をつくる」で来られなくなった生徒に向き合っている、と読めます。どちらが必要かは、その子の状況によります。

なお、添削課題は出しているのに面接指導に1日も来ていない生徒の割合は、公立4.2%(2,478人)、私立2.3%(5,060人)でした。定期登校が前提の公立では、通えなくなったときに学習が止まりやすい面はあります。ここは正直に書いておきます。

学費はどれくらい違いますか?

桁が変わります。公立は授業料が1単位あたり数百円で、初年度の総額を4〜5万円程度と案内している学校が複数あります。

各校が公表している金額を並べます。

学校授業料など備考
東京都立(通信制課程)入学料500円、通信教育受講料1単位につき336円令和7年4月1日現在。入学料は平成15年度、受講料は平成26年度の入学生から適用
神奈川県立横浜修悠館日曜講座1単位350円/平日講座1単位700円ほかに諸会費6,000円、教科書代1万〜1万5千円
大阪府立桃谷受講する単位数×330円教科書代・諸費用を含めて初年度4万円ほど
北海道有朋新入学初年度の1年間の経費は約4万円
福岡県立博多青松30単位登録で約51,600円(令和5年度前期の場合)

(各校公式サイト・2026年9月2日確認。博多青松高等学校の金額は公式FAQに令和5年度前期の例として掲載されているものです)

参考までに、東京都立の全日制課程は授業料が年額118,800円、入学料が5,650円です(令和7年4月1日現在)。都立の通信制は、26単位を履修しても受講料が336円×26=8,736円という水準になります。

ただし、私立が単純に高いままかというと、そこは制度で変わります。 私立の通信制課程には高等学校等就学支援金があり、授業料が支援の範囲に収まれば実質的な負担が大きく下がる学校もあります。各校の公表金額が同じ条件で作られていないことも含めて、通信制高校の学費を比較|公式の数字をFP2級が検証しましたで1校ずつ分解しました。学費を本気で比べるなら、そちらを読んでいただくのが早いです。

公立と私立で就学支援金の建てつけがどう違うのか(公立通信制は年額6,240円、私立通信制は337,200円)は、通信制高校の学費と無償化を制度の側から見た記事で表にしました。

この記事で押さえておきたいのは、公立の安さは「授業料が公費で抑えられている」という制度の話であって、サービスを削った結果ではないという点です。そして安いぶん、出願できる範囲と登校の形に条件が付いている、という構造になっています。

入試はどう違いますか?

私立は書類選考と面接が中心ですが、公立は自治体ごとに検査の中身がまったく違います。

実態調査によると、公立81校のうち学力検査を実施しているのは15校、面接が67校、小論文または作文が33校、調査書等の書類による選考が56校でした(複数選択可)。

実際、今回開いた自治体だけでも分かれていました。東京都立の通信制課程は国語・数学・英語を合わせた学力検査(一橋高校・砂川高校は60分、新宿山吹高校は70分。令和8年度通信制課程入学者選抜実施要綱 第1-5)、大阪府立桃谷高等学校は「書類と個人面接によって選考します。学力検査はありません」、福岡県立博多青松高等学校も学力検査を実施しない、と案内しています。

この領域は自治体差がすべてなので、通信制高校の面接で聞かれることは?に5自治体の検査内容の比較表と、自分の県の要項へのたどり着き方をまとめてあります。 ここでは深入りしません。

校舎のかたちと、外の学びを単位にする仕組み

公立の通信制は、独立した校舎を持つ学校のほうが少数派です。

実態調査の「独立・併置の別」を見ると、こうなっています。

設置者独立全日制と併置定時制と併置全日制・定時制と併置
公立6校13校47校15校
私立117校108校1校1校

公立は81校中75校が全日制または定時制と併置で、なかでも定時制との併置が47校と最多です。私立は独立校が117校ある一方、全日制との併置も108校あり、併設型は公立にも私立にもあります。

在籍していたのは20年ほど前なので、学校名や地域は書きません。ただ、校舎を共用する学校では、通信制の登校日が土日や夜間に寄るという点は、いまも変わっていないようです。上の表の登校日を見ても、土曜・日曜・夜間が並んでいます。

もうひとつ、定時制・通信制の課程で使える仕組みに触れておきます。学校教育法第55条は、定時制または通信制の課程に在学する生徒が、都道府県の教育委員会が指定した技能教育のための施設で教育を受けているとき、校長がその学習を高校の教科の一部の履修とみなすことができると定めています(e-Gov法令検索・2026年9月2日確認)。専門的な技能を学びながら高校の単位にする、いわゆる技能連携です。該当する施設は限られますが、手に職をつけながら高卒資格を取りたい場合の選択肢として存在します。

それぞれが向いている人

費用で選ぶのではなく、通える条件で絞ってから費用を見る——順番としてはこちらをおすすめします。

どちらにも当てはまる、という家庭が実はいちばん多いと思います。 その場合は、両方の資料を実際に取り寄せて、同じ項目を並べてみるのが早いです。公立は各都道府県の教育委員会や学校のサイトで募集要項が公開されていますし、私立は資料請求で学校案内が届きます。私も判断材料をそろえるためにN高グループの資料を取り寄せて、何が届いてどこまで分かったかを記録しました。1校だけを見て決めるより、公立1校と私立数校を並べたほうが、質問すべきことがはっきりします。

学校選びの軸そのものを整理したい場合は、通信制高校の選び方|後悔しないための7つのチェックポイントもあわせてどうぞ。

よくある質問

公立の通信制は、不登校だった子でも入れますか。
実態調査によると、令和7年度に公立の通信制へ入学した9,969人のうち、中学3年生のときに不登校だった生徒は5,333人(53.5%)でした。半数を超えています。北海道有朋高等学校のQ&Aにも「中学時代はあまり学校へ行きませんでしたが、大丈夫でしょうか?」という項目があり、「本校では様々な年代の人たちが学んでいます。また、登校も自分のペースで決めることができます」と回答されています。

公立の通信制には、どんな年齢の人がいますか。
北海道有朋高等学校は「15歳から70代の方まで幅広い年齢の方が学んでいます」、東京都立一橋高等学校は「15歳からの幅広い年齢層の生徒が在籍しています」と案内しています。一橋高校には託児制度があり、横浜修悠館高等学校も日曜スクーリングのときに託児室を利用できるとしています(いずれも2026年9月2日確認)。同い年の集団に馴染めるかという心配は、前提が少し違ってきます。

登校しないで卒業できますか。
できません。東京都立一橋高等学校のQ&Aは「登校が全くできない人は、単位を修得できません。したがって、卒業もできません」と明記しています。これは公立に限った話ではなく、通信制高校の制度そのものの決まりです。私立でも、コースによって日数が変わるだけで、面接指導が不要になるわけではありません。

中学3年生の途中から検討を始めても間に合いますか。
自治体によりますが、公立の出願は私立より遅い時期になることが多いです。東京都の通信制課程の前期選抜は令和8年2月22日に検査、大阪府の通信制の課程の面接は3月8日・9日・10日から希望日を登録北海道有朋高等学校の令和8年度新入学の出願期間は2月13日から3月18日でした(いずれも2026年9月2日確認)。私立の出願が先に締め切られるケースがあるので、両方を候補にするなら、日程を並べて確認しておくと安全です。

まとめ

公立の通信制高校について、この記事で確認したことを整理します。

  • 公立の通信制課程を置く高校は全国で81校。1県あたり平均1.7校で、大阪府や北海道のように公立が1校しかない地域もあります
  • 81校のうち79校(97.5%)が狭域。東京都・神奈川県・大阪府の要項は、いずれも「住所または勤務先が域内にあること」を出願の条件にしています
  • 登校は週または隔週の定期登校が基本。集中スクーリングを前提としたコースを持つ公立は1校だけです
  • 修業年限は3年の学校が95.1%ですが、3年間の在籍で卒業したのは33.4%(私立は51.3%)。年間の履修上限単位数を確認してください
  • サポートが薄いとは限りません。 スクールソーシャルワーカーに相談できる体制は公立91.4%、私立19.4%です
  • 学費は桁が違います。ただし私立も就学支援金で実質負担が変わるため、学費の比較記事で条件を揃えて見てください

「安いから公立」で調べはじめても、たいていは出願できるかどうかその曜日に通えるかどうかで候補が絞られます。逆に言えば、この2つさえ確かめれば、比べるべき学校の数はかなり減ります。

公立と私立のどちらが良いという答えは、この記事では出しません。ただ、両方を同じ項目で並べてみないと、家庭にとっての正解は見えてこないとは思います。まずは地元の教育委員会のページと、気になる私立の資料。この2つを机の上に並べるところから始めてみてください。