「N高って、課外授業がいろいろあるらしいけど、実際に何が学べるの?お金はかかるの?」

N高を調べていると、プログラミングや大学受験対策、イラスト、声優など、課外授業の話がたくさん出てきます。ただ、パンフレットを見ても「どこまでが学費に含まれていて、どこからが追加料金なのか」は分かりにくいところです。

この記事では、N高の課外授業について、何が学べるかと料金がかかるかを公式資料だけで整理しました。私は中学で不登校を経験し、N高ではない別の通信制高校を卒業しました。いまはIT系の会社と店を経営していて、店ではN高生が4人働いています。最後に、IT系の会社を経営する立場から見た「高校生のうちにプログラミングを学ぶ意味」も書いておきます。

N高が「やめとけ」と言われる不安と、逆に「いい」と言われる理由の全体像はN高が「やめとけ」と言われる6つの不安と、逆に「いい」と言われる理由にまとめていて、この記事はそのうち「学べることの幅が広い」を深掘りしたものです。

N高の課外授業とは?

課外授業とは、高校卒業資格のための必修授業とは別に、自分で選んで受ける授業のことです。 公式の学校案内には、次のように書かれています。

課外授業は高校卒業資格取得のための授業ではありません。任意で学習する選択式の授業です。

(N高グループ 学校案内2026年版・2026年9月の第4版)

つまり、課外授業を1つも受けなくても卒業はできます。 興味のあるものを、好きなだけ選んで受ける形です。

対象となるコースについても、公式サイトのコース紹介ページに「課外活動は全てのコースで受講可能です」と明記されています(ネットコース・週5/週3コースなどの各ページ)。毎日通う週5コースだけでなく、家で学ぶネットコースでも受けられます。

項目必修授業課外授業
目的高校卒業資格を取るため興味・進路に合わせて学ぶため
受けるかどうか全員が受ける任意(受けなくてもよい)
主な学び方ZEN Studyの映像授業+レポート、スクーリング、テストZEN Studyの映像授業、職業体験、留学、ネット部活など
対象コース全コース全コース

どんな分野を学べる?

公式サイトでは、課外授業を「ひとりで好きなだけ学べるもの」と「仲間と一緒に活動できるもの」の2つに分けて紹介しています。

分け方主な分野(公式サイトの掲載)
ひとりで好きなだけ学べる(ZEN Studyの映像授業)大学受験/プログラミング/動画クリエイター/Webデザイン/作家/イラスト/アニメ・コミック/ミュージック/ゲーム/声優/ものがたり創作/ヘアメイク/機械学習/数理科学/語学(英語・中国語)/中学復習/Vantan FLIP CHANNEL(クリエイティブ系24コース)
仲間と一緒に活動できるネット部活・同好会/職業体験・ワークショップ/生徒会/海外大学進学・留学/ネットの高校マイプロジェクト/特別授業/IHC

(出典:N高グループ公式サイト「課外活動について」 2026年10月9日確認)

映像授業は、ZEN Studyという学習システムで受けます。学校案内の第4版によると、ZEN Studyの授業数は必修と課外をあわせて17,115本で、そのうち9,069本以上がVR学習に対応しています。過去の授業はアーカイブされているので、好きな時間に、好きな順番で受けられます。

パソコンは必要?

多くの映像授業はスマートフォンやタブレットでも受けられますが、プログラミングなど一部はパソコンが前提です。 公式のよくある質問には「一部の課外授業(プログラミングなど)はパソコンの利用が前提です」と書かれています。プログラミングを学びたい場合のパソコン選びと費用はN高のパソコンはMacBook必須?で整理しました。

課外授業の料金はかかる?

ZEN Studyで受ける映像授業は原則無料ですが、リアルで参加するものや、より手厚い授業には別途費用がかかるものがあります。 公式資料に書かれている範囲で、料金を一覧にします。

学び方料金(公式資料の記載)
ZEN Studyの映像授業(課外)原則無料。「映像授業の学習は追加費用などがありません」
職業体験・ワークショップ無料のものもあれば、3〜4万円程度(交通費別途)のものもある
留学プログラム別途費用(参加費)が発生する場合あり。金額は公式サイト・学校案内に記載なし
+ONE授業コースごとに付与される「コース基本チケット」(通学コースは学費に含まれる。ネットコースへの付与枚数は資料に記載なし)と、都度購入する「+ONEチケット」(3枚16,500円・税込から。1枚あたり5,500円)
N塾(学園内予備校)別途費用(海外進学コースは公式FAQで「要別途費用」。各コースの金額は非掲載)
N Code Labo(学園が運営する別のプログラミングスクール)別料金(入会金11,000円など)

(出典:N高グループ公式サイト「よくある質問」、「+ONE授業」、学校案内2026年版、N Code Labo「入会案内・料金」。いずれも2026年10月9日確認)

FP2級として家計の目線で見ると、ポイントは「学費の中でできること」と「追加で払うこと」を分けて考えることです。ZEN Studyの映像授業だけでも、プログラミングや大学受験の勉強はかなりの範囲ができます。追加料金がかかるのは、マンツーマンの指導や、週5日で集中的に学ぶパック(通学型・オンライン型)、泊まりがけの体験などです。

まずは学費の中でできる映像授業から始めて、足りないと感じたら+ONE授業を足す、という順番なら、最初から大きな出費をせずにすみます。

プログラミングは何が学べる?

課外授業のプログラミングは、ドワンゴの新人研修をベースにした授業で、未経験から学べる内容になっています。 公式サイトには「未経験者がIT企業にプログラマーやWebエンジニアとして就職できるレベルを目指します」と書かれています。

学べる内容として公式サイトに挙がっているのは、次のとおりです。

年に2回、受講者向けのプログラミングコンテストがあり、ドワンゴの現役エンジニアが成果物にフィードバックをするそうです。共通の趣味を持つ仲間と交流できる部活もあります。

(出典:N高グループ公式サイト「課外授業 プログラミング」 2026年10月9日確認)

もっと本格的に学ぶなら:+ONE授業のプログラミングマスターズパック

映像授業より手厚く学びたい人向けに、+ONE授業の「プログラミングマスターズパック」があります。 週5日、プログラミングを集中的に学ぶパックで、学ぶ場所は新宿代々木キャンパス・梅田キャンパスのリアルキャンパスか、オンラインキャンパスから選べます。

項目内容(公式サイト・学校案内より)
日数週5日(月〜金)
学ぶ場所新宿代々木・梅田のリアルキャンパス、またはオンラインキャンパス
受講できる講座の例WEBプログラマー入門・養成講座、ゲームプログラマー超入門〜養成講座、AIプログラマー養成講座、ITパスポート講座
対応資格の例ITパスポート試験、基本情報技術者試験
サポートエンジニアのメンターが個別に開発をサポート。元エンジニアとの個別面談(2カ月に1回)
端末一部の+ONE授業(プログラミング・個別指導など)は推奨スペック以上のMacBookシリーズが必要(公式よくある質問)

公式ページには、生成AIと対話しながらプログラムを作る「バイブコーディング」という学び方も紹介されています。ネットコースとこのパックを組み合わせる学び方が、公式に例として載っています。料金は次の章の表にまとめました。端末の費用はN高のパソコンはMacBook必須?で整理しています。

なお、2026年10月時点の公式サイトのコース一覧に「プログラミングコース」という独立したコースはなく、通学で集中的にプログラミングを学ぶ枠はこのパックとして案内されています。

+ONE授業のチケット代はいくら?

+ONEチケットは3枚16,500円(税込・1枚あたり5,500円)から買えて、入学前に買うと枚数が増える特典があります。 公式サイトの+ONE授業のページや学校案内には金額が載っていませんが、同じ公式サイトで公開されている「2027年度 生徒募集要項」に料金表があります。

購入枚数金額(税込)入学前購入特典入学後購入特典
3枚16,500円+1枚なし
5枚27,500円+2枚なし
10枚55,000円+5枚+1枚
30枚165,000円+16枚+4枚

パッケージプラン(専用のチケットパック)の料金は次のとおりです。

パッケージプラン授業形式入学前購入特典価格入学後購入価格チケット枚数
プログラミングマスターズパックオンライン型93,500円143,000円26枚
プログラミングマスターズパック通学型137,500円203,500円37枚
個別指導パックオンライン型44,000円60,500円11枚
個別指導パック通学型55,000円82,500円15枚

(出典:N高等学校・S高等学校・R高等学校「2027年度 生徒募集要項」 p.3。いずれも税込・2026年10月9日確認。支払いはクレジットカード・コンビニ払い・Pay-easy)

FP2級として計算してみると、入学前に買うかどうかで、1枚あたりの値段がかなり変わります(以下は当サイトの計算)。

  • チケット30枚を入学前に買うと、165,000円で46枚になるので、1枚あたり約3,590円。入学後に買うと34枚なので約4,850円
  • プログラミングマスターズパック(オンライン型)は、入学後の143,000円が26枚=1枚5,500円ちょうどで、入学前なら93,500円なので約35%安くなります

まずは学費の中でできる映像授業で様子を見て、本格的に学びたいと分かってから+ONE授業を足す、という順番でも遅くはありません。ただし入学前の特典を使いたい場合は、その判断を入学前にする必要がある、という点は覚えておいてください。

大学受験対策も、課外授業で学べる

大学受験の勉強も、ZEN Studyの映像授業として学べます。公式サイトによると、6教科29科目の講座があり、レベル別に分かれています。

レベル公式サイトの目安
ベーシック日東駒専/定期テスト対策
スタンダード有名国公立、GMARCH、関関同立/共通テスト・難関私大対策
ハイレベル難関国立、早慶上理/最難関国公立・私立大対策

(出典:N高グループ公式サイト「課外授業 大学受験対策」 2026年10月9日確認)

ただし、映像授業は自分で計画を立てて進める必要があります。分からないところは、ZEN Studyのフォーラム(質問掲示板)やライブ配信授業のコメントで質問できます(公式サイト「課外授業 大学受験対策」)。それでも1対1で見てほしい場合に、+ONE授業の個別指導や、学園内予備校のN塾(別途費用)という選択肢があります。塾が必要かどうかの考え方はN高に塾は必要?に、通信制から大学を目指すときの全体像は通信制高校から大学進学は難しい?にまとめています。

目標別:どの課外授業から始める?

課外授業は数が多いので、「何から手をつければいいか分からない」となりがちです。目標別に、公式サイトに載っている分野と組み合わせの例を並べておきます。

目標まず見る課外授業(学費内)追加で検討するもの(別途費用)
ゲームを作りたい・ゲームの道に進みたいゲーム/プログラミング(Unity 2D/3Dゲーム開発など)+ONEのゲームプログラマー講座、プログラミングマスターズパック
声優・クリエイターを目指したい声優/イラスト/動画クリエイター/ミュージック職業体験・ワークショップ(テーマが合うもの)
大学に一般入試で行きたい大学受験(6教科29科目・レベル別)+ONEの個別指導パック、N塾
IT系で就職したいプログラミング(ドワンゴの新人研修ベース)/機械学習プログラミングマスターズパック(ITパスポート・基本情報技術者試験の講座)
まだ決まっていない気になる分野の映像授業を少しずつ(追加費用なし)決まってから考える

店で働いているN高生にも、ゲームのプロを目指して入った子や、声優になりたくて入った子がいます。課外授業を受けているかどうかは聞いたことがないので分かりませんが、こうした目標に対応する授業が、学費の中で用意されていること自体は大きいと思います。

目標が決まっていない場合も、焦る必要はありません。映像授業は追加費用なしで何本でも試せるので、「合わなかったらやめる」ができます。ここが、有料の習い事を一つずつ試すのとの大きな違いです。

N塾との違いは?

N塾は、N高グループ生のための「学園内予備校」で、課外授業とは別の有料サービスです。 学校案内には、個別ティーチングコース・個別コーチングコース・海外進学コースの3つが載っていて、無料体験も受け付けています。

課外授業(大学受験)+ONE授業の個別指導パックN塾
形式ZEN Studyの映像授業90分の1対1の個別指導(オンライン型・通学型)学園内予備校(コース制)
費用原則無料入学前44,000円〜(オンライン型・11枚)別途費用

映像授業で自分で進められるなら課外授業、分からないところを人に聞きたいなら個別指導パック、予備校の形で受験対策を受けたいならN塾、というのが大まかな使い分けです。どこまでが必要かはN高に塾は必要?で詳しく考えています。

職業体験・留学など、リアルで参加するもの

職業体験には、農業・漁業などを泊まりがけで体験するもの(5日間程度)と、ネットで参加するオンラインのものがあります。 公式サイトに載っている実施例を挙げます。

  • 日本最北端の牧場で酪農のリアルを体験(北海道稚内市)
  • 狩猟マタギと学ぶ雪合宿(山形県)
  • 刀鍛冶を通して「日本刀のアップデート」を考える(岐阜県関市)
  • 山口県長門市で「イカ釣り漁」を学ぶ

※いずれも公式サイトに「2019年度実施例」として載っているもので、内容は年度ごとに変わります。

留学プログラムでは、イギリス(10泊12日)、フィリピンのセブ島(13泊14日)、マレーシアの大学見学ツアー(5泊6日)などが学校案内に載っています。参加費の金額は、公式資料では確認できませんでした。日程や留学先は年度ごとに異なります(学校案内)。

※これは修学旅行の話です。職業体験や留学に4人が参加しているかは、聞いていません。

課外授業を受けると、進学や就職に有利?

課外授業を受けたこと自体が、成績や合否に自動的に加点される仕組みは、公式資料には書かれていません。 課外授業はあくまで任意の学びです。

一方で、課外授業で作ったもの、取った資格、コンテストでの成果は、志望理由書や面接、履歴書で話せる材料になります。プログラミングマスターズパックの公式ページには、コンテストでの受賞歴(未踏ジュニア、U-22 プログラミング・コンテストなど)や進学実績が載っています(進学実績は「2021〜2025年度の実績」と注記。+ONE授業は2026年4月開始なので、それ以前の実績を含みます)。

これは私の見方で、課外授業を受ければ就職できると保証するものではありません。ただ、「高校生のうちに基礎に触れておける環境があるかどうか」は、学校を選ぶときの見るべき点のひとつだと思います。

入学前に確認しておきたいこと

課外授業は、入学してから選べます。それでも、入学前に確認しておくと安心なことがあります。

ネットコースで1日をどう過ごし、課外授業をどの時間に入れるかのイメージはN高等学校のネットコースとは?に書きました。

まとめ

  • N高の課外授業は、必修とは別の任意の授業。受けなくても卒業できます
  • 全コースで受講可能。ネットコースでも受けられます
  • ZEN Studyの映像授業は原則無料。プログラミング・大学受験・Webデザイン・イラスト・声優・語学など幅広い
  • 職業体験は無料〜3〜4万円程度(交通費別)、留学は別途費用。+ONEチケットは3枚16,500円から(1枚あたり5,500円)で、入学前に買うと特典がつく
  • プログラミングはドワンゴの新人研修ベース。本格的に学ぶならプログラミングマスターズパック(週5日)
  • 課外授業そのものに加点はないが、作ったもの・資格・成果は進学や就職で話せる材料になる

+ONE授業の料金や学費の一覧は、生徒募集要項にまとまっています。募集要項は資料請求で届く封筒に入っているので、資料請求で実際に何が届いたかの記録も参考にしてください。