「N高って、どんな行事があるの?学校らしいことはできるの?」

ネットの高校と聞くと、入学式も文化祭もないのでは、と思う方もいるかもしれません。実際には、N高グループの年間スケジュールは行事で埋まっていて、1年を通してたくさんの行事を開いています。ただし、ほとんどの行事は参加が任意で、卒業のために出なければいけないものは限られています。

この記事では、公式資料をもとに、N高の1年間の行事と、出なければいけないもの・自由に選べるものを整理しました。私は中学で不登校を経験し、N高ではない別の通信制高校を卒業しました。店ではいまN高生が4人働いていて、行事の話を聞くこともあります。

N高が「やめとけ」と言われる不安と、逆に「いい」と言われる理由の全体像はN高が「やめとけ」と言われる6つの不安と、逆に「いい」と言われる理由にまとめていて、この記事はそのうち「行事があって学校生活が楽しい」を深掘りしたものです。

N高の1年間は、どんな流れ?

N高の年間スケジュール(公式の呼び方は「年間イベント」)とは、入学式から卒業式まで、学園が1年を通して開く行事のことです。N高の1年は、年4回の入学時期と、季節ごとの行事で回っています。入学時期は4月・7月・10月・1月の年4回で、公式の学校案内(第4版)には、季節ごとの行事が次のように載っています。

季節主な行事(学校案内の年間イベント)
春入学式/4月生入学/新入生歓迎式/校外学習/新入生オリエンテーション/文化祭(ニコニコ超会議)/ネット遠足
夏7月生入学/七夕イベント/生徒会選挙/オンラインキャンパスのイベント/ネット遠足
秋10月生入学/NED/ネット遠足/バーチャル体育祭/ハロウィンイベント/バーチャル修学旅行/キャンパスフェスティバル/オンラインキャンパス文化祭
冬1月生入学/クリスマスイベント/卒業生を送る会/ネット遠足/留学プログラム/卒業式

(出典:N高グループ 学校案内2026年版・2026年9月の第4版「年間イベント」。オープンキャンパスなど入学希望者向けの行事は省略しています。2026年10月9日確認)

学校案内には「イベントの参加は任意です。内容と開催時期は年度ごとに異なります」と添えられています。上の表は「こういう行事がある」という一覧で、毎年同じ月に同じ形で行われるとは限りません。

一方で、スクーリングの時期・レポートの締切日・テストの月を1年分まとめた公式の予定表は、公開されていません。公式サイトの「スクーリングについて」のページには「スクーリングの実施時期と会場については、年度ごとに案内します」とあり、テストは「期末(原則年1回)」とされています。学習面の具体的な日程は、入学後に案内される形です。

入学した月によって、1年目の流れは変わる

入学は年4回あるので、何月に入ったかで、最初に経験する行事も変わります。 公式サイトの必修授業のページには、「入学時期は新入学と編入学の方が4月・7月・10月・1月」「卒業時期は3月・6月・9月・12月です」と書かれています(転入学はネットコースなら随時)。

入学月入学してすぐの季節にある主な行事(学校案内の年間イベントより)
4月入学式・新入生オリエンテーション・文化祭「磁石祭」・ネット遠足
7月生徒会選挙・オンラインキャンパスのイベント・ネット遠足
10月ネット遠足・バーチャル体育祭(普通科)・NED(秋〜冬)※通学コースはハロウィンイベント・キャンパスフェスティバルも
1月卒業生を送る会・ネット遠足・留学プログラム(3月の卒業式は在校生も配信で見られます)

4月以外に入学した場合、入学式や文化祭は翌年度の春に経験することになります。ただ、ネット遠足は年3回ほど開かれている(公式サイト。学校案内では四季それぞれの欄に載っています)ので、4月以外の入学でも、入学式や文化祭を待たずに交流の機会が巡ってきやすいはずです。転入して途中から入る子にとっては、最初のネット遠足が、班の仲間と知り合う入口になりやすいと思います。

出なければいけない行事はある?

卒業のために出る必要があるのは、スクーリングとテストです。 入学式や文化祭などの行事は、すべて参加が任意です。

区分内容参加
スクーリング(全国拠点)全国各地の会場で行う面接指導必修
本校スクーリングN高は沖縄伊計本校で4泊5日(S高・R高は3泊4日)必修(原則、宿泊型。困難な場合は通学型が認められることもある)
テスト期末に全国各地の会場で1〜2日程度必修
入学式・文化祭・ネット遠足・NED・卒業式など年間イベント任意

(出典:N高グループ公式サイト「スクーリングについて」「必修授業」、学校案内2026年版。2026年10月9日確認)

知恵袋などでは、「ネットコースで入学するけど、この日にどうしても外せない用事がある。出なければいけない行事はある?」という質問も見かけます。答えは、スクーリングとテストの日程だけ押さえておけばよい、です。その日程は年度ごとに案内されるので、入学後に早めに確認しておくと安心です。

なお、卒業要件の「特別活動(30単位時間以上)」は、公式サイトによるとネット学習とスクーリングの中で行われます。任意の行事に出なくても、この時間が足りなくなることはありません。

スクーリングの日数や中身はN高のスクーリングは必須?年何日?に、スクーリングに行くのが不安なときの考え方はN高のスクーリングに行きたくないときにまとめています。

入学式は、どんな形?

2026年の入学式は、ネットの生配信で参加する「AI入学式」でした。 2026年4月5日(日)17時から18時30分まで、ニコニコ生放送とYouTubeで生配信されています。

項目2026年の入学式
名前令和八年度 N高等学校・S高等学校・R高等学校・N中等部 AI入学式
日時2026年4月5日(日)17:00〜18:30
参加方法オンラインでの生配信視聴+特設サイトでのAIコンテンツ体験
会場全員が集まる会場はなし(抽選で選ばれた新入生約15名がスタジオで特別観覧)
内容開式の辞/学校長・生徒会長の式辞/新入生宣誓/年間イベント・課外活動紹介/在校生と新入生の座談会/校歌斉唱 など

(出典:学校法人角川ドワンゴ学園のプレスリリース(2026年3月27日)。2026年10月9日確認)

全国から約1万人の新入生が入学するので、自宅からネットで参加する形です。特設サイトでは、学校長からの個別の式辞をAIが作ったり、自己紹介シートやアイコンを作ったり、お悩み相談のチャットボットを試したりできたそうです。式の中には、在校生と新入生の座談会や、年間イベント・課外活動の紹介もあり、入学してから何があるのかを最初に知る場にもなっています。

自宅から参加できる入学式は、人の多い場所が苦手な子にとっては、最初の一歩として気が楽な形だと思います。

文化祭「磁石祭」は?

N高グループの文化祭は「磁石祭」という名前で、オンラインと、ニコニコ超会議の会場の2つで開かれます。 2026年の「磁石祭2026」は、次のとおりでした。

項目磁石祭2026
オンライン会場2026年4月10日(金)〜4月26日(日)の17日間・特設サイト
リアル会場2026年4月25日(土)・26日(日)、幕張メッセ(ニコニコ超会議2026内)
企画生徒主体で、リアル・オンライン合わせて約150企画
運営生徒会と実行委員会の生徒約500名が中心
来場者リアル会場に2日間で約1万名

(出典:学校法人角川ドワンゴ学園のプレスリリース(2026年4月17日)・開催報告(2026年6月10日)。2026年10月9日確認)

オンライン会場では、生徒が作った作品の展示、部活の成果発表、ゲーム大会、交流企画などがあり、全国どこからでも参加・鑑賞できます。リアル会場はニコニコ超会議の中にあるため、保護者や一般の来場者はニコニコ超会議の入場券が必要です(一般入場券の前売り1日券は3,800円)。在校生・卒業生の家族や友人向けには、特別価格の専用入場券も用意されていました。在校生本人の入場の扱いは、年度ごとの案内で確認してください。

開催報告によると、集まった資金の一部は、遠方からリアル会場に来る生徒の交通費・宿泊費の補助にも使われたそうです。

磁石祭の特徴は、生徒が運営の中心にいることです。学校案内によると、N高グループの生徒会は年間予算1,000万円を配分し、文化祭の名称を決めたり、ゲストを選んだりする役割も担っています。企画を出す側、運営を手伝う側、見に行く側、オンラインで眺める側と、関わり方を選べるのも、ネットとリアルの両方で開く文化祭ならではだと思います。

なお、週5・週3・週1+コースのリアルキャンパスでは、キャンパスごとに「キャンパスフェスティバル」という文化祭も開かれています(公式サイトでは11月)。こちらは実行委員の選出から企画・運営まで、すべて生徒自身が行うと公式サイトに書かれています。オンラインキャンパスの生徒向けにも、オンラインキャンパス文化祭が学校案内に載っています。毎日のように顔を合わせる仲間と準備する文化祭は、全日制の文化祭に近い雰囲気だと思います。

修学旅行は?本校スクーリングとバーチャル修学旅行

泊まりがけの「修学旅行」という名前の行事はありませんが、実質それにあたるのが本校スクーリングです。 N高なら沖縄伊計本校で4泊5日、S高なら茨城つくば本校、R高なら群馬桐生本校で3泊4日を過ごします。授業のほかに、現地ならではの体験活動も組まれています。

費用は、公式サイトのスクーリングのページに目安が載っています。

本校スクーリング参加費用は年度によって異なりますが、6万円〜7万円程度となることが多いです。

(N高グループ公式サイト「スクーリングについて」のよくある質問より。2026年10月9日確認)

この参加費用には、現地での学習・活動費、集合場所から本校までの送迎、宿泊・食事が含まれていて、自宅から集合場所(N高は那覇空港)までの交通費は別です。

また、学校案内の第4版には、普通科の行事として、VRで史跡や名所をグループでめぐる「バーチャル修学旅行」も載っています。

なお、その子は「希望する子だけが参加する」とも言っていました。公式の案内では本校スクーリングは必修なので、本人の言い方の問題か、別の行事のことかは分かりません。必修か任意かの区別は、公式の案内を優先してください。

本校スクーリングの中身はN高に修学旅行はある?とN高等学校の沖縄伊計本校とは?に詳しく書いています。

ネット遠足・NED・そのほかのイベント

ネット遠足は、オンラインゲーム『ドラゴンクエストX オンライン』の世界で、生徒や先生が班に分かれて冒険する行事です。 公式ブログによると、ドラクエXの経験は問われず、事前アンケートをもとに共通の趣味を持つ生徒同士で班を作るので、ここで友達ができた生徒も多かったそうです。当日は、学園のコミュニケーションアプリ「Slack」の通話機能を使いながら進めます。

イベント内容(公式資料より)
ネット遠足ドラクエXの世界で班ごとに冒険。年3回(公式サイト)。参加満足度97.8%(学校案内)
NED(N Expression Discovery)自分のアイデアを表現するプレゼンテーションイベント。学園が運営するN高グループ以外のスクールの生徒も参加。参加満足度98.4%(学校案内)
バーチャル体育祭普通科の行事。VRで運動ができる
生徒会選挙夏。生徒会は年間予算1,000万円を配分し、文化祭の名称やゲストの選定なども担う
七夕・ハロウィン・クリスマスキャンパスやオンラインキャンパスごとのイベント

(出典:N高グループ公式サイト「年間イベント」、学校案内2026年版・第4版。参加満足度は参加者へのアンケート。2026年10月9日確認)

どれも参加は任意です。人と関わるのが得意な子は全部に出てもいいし、苦手な子は配信で見るだけでもいい。参加の度合いを自分で決められるのが、N高の行事のいちばんの特徴だと思います。部活も同じようにネットが中心で、N高の部活はネットで活動?にまとめています。

卒業式は?

2026年3月の卒業式は、大阪の会場とネットの生配信の両方で行われました。 N高・S高・R高から11,141名、N中等部から635名、あわせて11,776名が卒業・修了しています。

項目令和七年度の卒業式
日時2026年3月25日(水)14時〜
会場サンケイホールブリーゼ(大阪市北区梅田)
配信ニコニコ生放送・YouTubeで生配信(誰でも視聴可能)
卒業生N高・S高・R高から11,141名

(出典:学校法人角川ドワンゴ学園のプレスリリース(2026年3月31日)、事前告知(2026年3月16日)。2026年10月9日確認)

学園は2022年度から、卒業式を毎年違う都市で開いています。全国に散らばっている生徒が、卒業式をきっかけにその土地を訪れ、最後の思い出を作れるように、という理由だそうです。前年の卒業式は群馬県前橋市でした。式は、卒業証書授与、送辞・答辞、校歌斉唱などのあと、エンドロールで締めくくられる構成でした。配信ではコメントで参加できるので、会場に行けない卒業生も同じ時間に祝う形です。会場に参列できる条件は、公式の公開ページでは確認できませんでした。

N高には制服がありますが、購入は自由です。卒業式に何を着ていくかは、家庭でも話題になりそうです。制服を買うかどうかの考え方はN高の制服は買うべき?に書いています。

行事で友達はできる?

学校案内には、生徒が「友だちができたきっかけ」のランキングが載っています。 1位はスクーリング会場での交流、2位はリアルキャンパスでの交流、3位はSlackでの交流でした(学校案内2026年版・第4版)。

つまり、いちばん友達ができやすいのは、必修のスクーリングです。任意の行事に出なくても、スクーリングで顔を合わせる機会は全員にあります。そこに、ネット遠足や文化祭などの任意の行事が「もう一歩、知り合う場」として加わる、という形です。

友達が「いる・いない」の話はN高が「やめとけ」と言われる6つの不安の「友達はできる?」で書いたので、ここでは行事との関係だけに絞ります。

行事に出るかどうかで友達の数が決まるわけではありませんが、友達を作りたい子にとっては、任意の行事が使える場になっている、ということは言えそうです。

行事にかかる費用の目安

FP2級として、行事まわりで家計に関係するお金を一覧にしておきます。公式資料に金額が出ているものと、出ていないものを分けています。

行事必修か任意か費用(公式資料の記載)
本校スクーリング必修参加費用6万〜7万円程度が多い+集合場所までの交通費
全国拠点のスクーリング・テスト必修会場までの交通費と昼食代
入学式・卒業式(配信で参加)任意配信の視聴に費用の記載なし
卒業式(会場に行く場合)任意会場までの交通費(毎年開催地が変わる)
文化祭(リアル会場)任意会場までの交通費。家族が同行する場合はニコニコ超会議の入場券(家族向けの特別価格あり)。在校生本人の扱いは年度ごとの案内で確認
職業体験・ワークショップ任意無料のものから3〜4万円程度(交通費別)
留学プログラム任意別途費用(金額は公式資料に記載なし)

必修の費用で大きいのは、本校スクーリングです。N高の場合、自宅から那覇空港までの往復は季節や予約の時期で大きく変わるので、日程が案内されたら早めに航空券を押さえるのが、家計の負担を小さくするいちばんの方法です。任意の行事は、子どもが「行きたい」と言ってから考えれば十分間に合います。

親として知っておきたいこと

行事に関係するお金と、行事が苦手な子への向き合い方の2つを押さえておけば十分です。

二児の親として思うのは、行事への参加を、親が「出たほうがいいよ」と押しすぎないことの大切さです。全日制なら、行事は全員参加が前提で、出ないことがそのまま「休んだ」になります。N高の行事は任意なので、出なくても卒業には影響しません。だからこそ、子どもが「ちょっと見てみたい」と言ったときに、交通費などで止めずに背中を押せるよう、家計の側で少し余裕を見ておく。親にできるのは、そのくらいで十分だと思います。

行事に出るかどうかを、親が先回りして決める必要はないと思います。私の通っていた通信制でも、行事は自由参加のものが多くありました。それでも入学式と卒業式という節目には、緊張しながらも出ました。出たいときに出られる場所がある、ということが大事なのだと思います。

まとめ

  • N高の行事は1年中あるが、公式は「イベントの参加は任意」と明記
  • 卒業のために出る必要があるのはスクーリングとテストだけ。日程は年度ごとに案内される
  • 2026年の入学式はネットのAI入学式、文化祭「磁石祭」はニコニコ超会議の会場とオンライン、卒業式は大阪の会場と生配信
  • 修学旅行にあたるのは本校スクーリング(N高は沖縄で4泊5日・参加費用6万〜7万円程度が多い+交通費)
  • ネット遠足はドラクエXの世界で班ごとに冒険。参加の度合いを自分で決められるのがN高の行事の特徴

学校案内には、この記事で紹介した季節ごとの行事が見開きで載っています。資料請求で実際に何が届いたかの記録も、あわせて参考にしてください。