「通信制高校に落ちる確率はどれくらいなのか」——この言葉で検索して、たどり着いてくださったのだと思います。調べてみると「ほとんど落ちません」「不合格になることはまずありません」という説明は山ほど出てくるのに、肝心の数字がどこにも出てこない。それで、まだ不安が残っているのではないでしょうか。
私が通信制高校の入試を受けたのは、いまより学校の数も情報も少なかった時期です。ですので今回は、いまなら何の数字が手に入るのかを実際に調べ直しました。結論から言うと、全国をまとめた合格率は存在しませんが、公立については毎年の実数が公表されています。
- 令和8年度の東京都・神奈川県・千葉県の公立通信制で、何人が受検して何人が合格したのか(実数)
- なぜ同じ公立なのに、不合格が94人出た県と、0人の県に分かれるのか
- 「落ちる」を4つの経路に分けて、それぞれの対処法
通信制高校に落ちる確率は、どれくらいですか?
全国をまとめた合格率という数字は、そもそも集計されていません。ただし公立に限れば、実数が出ています。令和8年度に結果が公表されている4つの選抜のうち、選考で不合格が出たのは東京都の前期選抜だけでした(受検221人に対して合格127人)。神奈川県と千葉県は不合格0人です(各教育委員会の公表資料をもとに当サイトで集計)。
まず、なぜ他のページに数字が出てこないのかを説明します。
高校の入学者選抜には、結果の公表を全国一律で義務づける仕組みがありません。公立高校は都道府県の教育委員会が実施主体なので、募集人員・志願者数・受検者数・合格者数が毎年きちんと発表されます。一方、私立や株式会社立の通信制高校は各校が独自に選抜を行うため、結果を出すかどうかも各校の判断です。
つまり、「通信制高校全体の合格率」という数字は、集計する主体がそもそも存在しません。 これが、どのサイトも定性的な表現までしか書けない理由です。
では何なら分かるのか。公立の実数です。 ここからは、実際に開いて確かめた数字を並べます。
【実数】令和8年度、公立の通信制高校で何人が落ちたのか
4つの選抜のうち、不合格が出たのは東京都の前期選抜だけでした。 神奈川県と千葉県は、受検した人がそのまま合格・入学許可候補者になっています。
| 自治体・選抜 | 募集人員 | 受検者数 | 合格者数 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都(前期選抜/3校) | 125人 | 221人 | 127人 | -94人 |
| 神奈川県(共通選抜/2校) | 1,216人 | 531人 | 529人 | -2人※ |
| 神奈川県(定通分割選抜/2校) | 991人 | 72人 | 72人 | 0人 |
| 千葉県(一期/1校) | 360人 | 190人 | 190人 | 0人 |
| 合計 | 2,692人 | 1,014人 | 918人 | -96人 |
※神奈川県の差は「受検後取消者数」で、不合格ではありません。同県は共通選抜・定通分割選抜とも平均競争率を1.00倍と公表しています。
合計の差96人のうち、選考の結果として不合格になったのは東京都の94人。受検者1,014人に対して9.3%です(当サイトで算出)。逆に言えば、この3都県では受検した1,014人のうち918人(90.5%)が合格しています(残る2人は不合格ではなく、神奈川県の受検後取消者です)。
ただし、この平均値だけを持ち帰るのは危険です。中身がまったく違うからです。
東京都:3校の中でも、結果は大きく分かれました
東京都立の通信制課程は一橋・新宿山吹・砂川の3校で、募集人員を前期選抜と後期選抜に分けています。前期選抜の結果はこうでした。
| 学校 | 募集人員 | 最終応募 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率※ |
|---|---|---|---|---|---|
| 一橋 | 50人 | 69人 | 66人 | 52人 | 78.8% |
| 新宿山吹 | 25人 | 80人 | 71人 | 25人 | 35.2% |
| 砂川 | 50人 | 89人 | 84人 | 50人 | 59.5% |
| 計 | 125人 | 238人 | 221人 | 127人 | 57.5% |
※合格率は当サイトで算出(合格者数÷受検者数)。東京都は最終応募倍率1.90倍・受検倍率1.77倍と公表しています
受検倍率とは、募集人員に対して実際に検査を受けた人が何倍いるかを示す数字です。 新宿山吹高校は前期選抜の募集人員が25人で、そこに71人が受検しました。結果として46人が合格に至っていません。
同じ都内の、同じ公立通信制でも、一橋高校は66人中52人が合格しています。学校が違うだけで、これだけ結果が変わります。
なお東京都立の通信制課程は、前期・後期とも面接を行わず、国語・数学・外国語(英語)を総合した検査(一橋・砂川60分、新宿山吹70分)で選考します(東京都教育委員会「東京都立高等学校通信制課程入学者選抜実施要綱」/2026年9月16日確認)。受検者が枠を上回った回では、この検査の結果が合否を分けることになります。
神奈川県:平均競争率1.00倍、不合格は0人
神奈川県の通信制の課程は横浜修悠館・厚木清南の2校です。県の公表資料では、合格者数の集計がこうなっていました。
- 共通選抜:募集人員1,216人/受検者数531人/受検後取消者数2人/合格者数529人(平均競争率1.00倍)
- 定通分割選抜:募集人員991人/受検者数72人/受検後取消者数0人/合格者数72人(平均競争率1.00倍)
計算すると、受検者数から受検後取消者数を引いた数が、そのまま合格者数になっています。 つまりこの年度、神奈川県の公立通信制で選考の結果として不合格になった人はいません。
学校別に見ると、定通分割選抜では横浜修悠館高校が募集人員853人に対して受検54人・合格54人、厚木清南高校が募集人員138人に対して受検18人・合格18人でした。
千葉県:志願195人、受検190人、入学許可候補者190人
千葉県の公立通信制は千葉大宮高等学校の1校です。一期入学者選抜の集計はこうでした。
| 区分 | 人数 |
|---|---|
| 募集定員 | 500人 |
| 一期の募集人員 | 360人 |
| 志願者確定数 | 195人 |
| 受検者確定数 | 190人 |
| 入学許可候補者数 | 190人 |
受検した190人全員が入学許可候補者になっています。 志願195人と受検190人の差5人は、検査当日に受検しなかった人です(理由までは公表されていません)。
千葉県はその後も募集を続けていて、二期の募集人員が130人、三期は募集人員235人に対して志願16人・受検15人・入学許可候補者15人。9月入学の四期入学者選抜も、募集人員270人で実施されています。募集定員500人に対し、一期から三期までの入学許可候補者は合計230人でした。
同じ公立なのに、なぜここまで違うのですか?
そもそも不合格が出るかどうかを分けているのは、受検者の学力水準ではなく、その回に何人分の枠が出ているかです。
3都県の「募集人員と受検者数の関係」を並べると、構図がはっきりします。
| 自治体 | その回の募集人員 | 受検者数 | 関係 |
|---|---|---|---|
| 東京都(前期) | 125人 | 221人 | 受検者が募集人員の1.77倍 |
| 神奈川県(共通選抜) | 1,216人 | 531人 | 募集人員が受検者の2.3倍 |
| 千葉県(一期) | 360人 | 190人 | 募集人員が受検者の1.9倍 |
東京都だけが、受検者のほうが多い状態です。理由は明快で、東京都は年間の募集人員を前期と後期に分割していて、前期の枠を125人に絞っているからです。神奈川県と千葉県は、最初の選抜で大きな枠を出しています。
言い換えると、東京都の「1.77倍」は難易度の指標ではありません。年間400人分ある枠のうち、最初に125人分だけを開けている、という募集設計の結果です。
枠の側の全体像も、ひとつだけ置いておきます。文部科学省の調査では、収容定員を定めている309校のうち131校(42.4%)で、在籍生徒数が収容定員の半分に届いていません。
| 設置者 | 充足率50%以上 | 充足率50%未満 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 公立 | 48校(71.6%) | 19校(28.4%) | 67校 |
| 私立 | 121校(53.3%) | 106校(46.7%) | 227校 |
| 株式会社立 | 9校(60.0%) | 6校(40.0%) | 15校 |
| 全体 | 178校(57.6%) | 131校(42.4%) | 309校 |
(文部科学省令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について/令和8年8月31日・初等中等教育局高等学校振興課/調査時点は令和7年5月1日/2026年9月16日確認。収容定員を定めていない14校を除く309校の集計)
文部科学省自身が「充足率が50%を満たせばよいというものではない」と注記しているとおり、これは落ちにくさを示す数字ではありません。全体の傾向と、自分が受ける1回の話は別物です。
東京都で前期に落ちた94人は、その年に入学できなかったのですか?
そうとは限りません。東京都は同じ年度に、後期選抜と第二次募集を続けて実施しています。
令和8年度の都立通信制課程の募集は、こういう流れでした。
前期選抜(2月)
募集人員125人。受検221人、合格127人
後期選抜(3月出願・4月検査)
募集人員275人。前期の2.2倍の枠が開く
第二次募集(4月)
砂川58人・一橋50人。合計108人の枠が残っていた
前期選抜の募集人員125人は、東京都自身が「通信制課程(後期選抜)の人員を除いた数である」と注記しています。つまり前期は、その年の入口のひとつにすぎません。
そして注目したいのが第二次募集です。4月14日時点で、砂川高校58人・一橋高校50人の募集が出ていました。前期で1.90倍の応募があった同じ年に、4月の時点でまだ108人分の枠が残っていたということです。
ここでもうひとつ。第二次募集を実施したのは砂川高校と一橋高校の2校で、新宿山吹高校は実施していません(同ページは4月14日付で「通信制課程第二次募集を実施する全ての学校の情報更新を終了しました」と告知しています)。
ただし、その理由は公表資料からは分かりません。 東京都は通信制課程の後期選抜について、応募状況も受検状況も合格発表も公表していないからです。「前期でいちばん合格率が低かった学校だから後期で埋まったのだろう」と考えたくなりますが、それは裏づけのない推測になります。
ここから言えるのは、同じ都内の3校でも、募集の回数そのものが違ったということです。通信制の「落ちる確率」は学校ごと・回ごとに違い、同じ年度の中でも時期によって変わります。
なお、当日いちばん不安だったのは試験の中身ではなく、別のことでした。その話と、実際にどうだったかはN高等学校の受験に落ちることはある?に書いています。
ここまで並べてきたような数字——その回の枠が何人分あって、何人が受けて何人が受かったのか——は、公立であれば、いまは誰でも見に行けます。 不安の大きさを決めているのが「分からないこと」なら、先に数字のほうを見ておく手はあると思います。
自分の都道府県の数字は、どうやって調べられますか?
その県の教育委員会のサイトで、その年度の入学者選抜の結果資料を探します。ただし通信制の課程まで数字を出しているかどうかは、県によってかなり違いました。
検索語は「◯◯県 令和8年度 公立高等学校 入学者選抜 合格者数」です。これでその県の教育委員会のページにたどり着けます。出てこないときは、「入学許可候補者数」「入学者選抜 結果」「実施状況」に入れ替えて試してください。呼び方が県ごとに違うためで、この記事で使った3都県も、東京都は「合格発表」、神奈川県は「合格者数」、千葉県は「入学許可候補者数」と、同じものを別の名前で出しています。
開いたあとに見るのは、その回の募集人員・受検者数・合格者数の3つだけです。この3つが並べば、募集人員より受検者が多い回なのかどうかを自分で判定できます。東京都型(募集を分割して最初の枠を絞る)か、神奈川県型(最初に大きな枠を出す)かも、それで見分けがつきます。
ただし、ここは正直に書きます。私が実際にたどった4県では、通信制課程の受検者数・合格者数が、公表されている結果資料に載っていませんでした(2026年9月16日確認)。
- 埼玉県「令和8年度埼玉県公立高等学校入学者選抜実施状況」…全日制と定時制のみ。通信制課程を置く県立大宮中央高校は表に出てきません
- 静岡県「令和8年度静岡県公立高等学校入学者選抜合格者数一覧」…全日制・定時制・単位制による定時制まで
- 新潟県「令和8年度新潟県公立高等学校入学状況」…全日制と定時制のみ
- 愛知県…「通信制(旭陵・刈谷東)後期選抜募集人員」は公表されていますが、合格者数にあたる資料は見つけられませんでした
つまり東京都・神奈川県・千葉県は、通信制まで数字を出している側です。全国どこでも同じように見られるわけではありません。
それでも、3つのうち募集人員は、結果が公表されていない県でも手に入ります。 入学者選抜の実施要項に、通信制課程の募集の項が置かれているからです(埼玉県なら「県立大宮中央高等学校における募集」)。そして合否を分けているのは、ここまで見てきたとおり枠の大きさのほうでした。受検者数と合格者数が出ていない県では、募集人員と募集の回数を押さえれば足ります。
「落ちる」を4つの経路に分けて考えます
ここまでの数字を踏まえて、いちばん大事な整理をします。「落ちる」と呼ばれている出来事は、実は性質の違う4つに分かれます。起こる確率も、対処法もそれぞれ違います。
| 経路 | 何が起きるか | 起こりやすさ | 対処 |
|---|---|---|---|
| ① 選考で不合格になる | 面接・作文・書類・学力検査の結果として不合格 | 学校と回による(東京都の前期選抜では42.5%) | その回の募集人員を事前に確認する |
| ② そもそも出願できない | 出願資格を満たしていない | 条件を読めば事前に分かる | 居住地・年齢・在籍状況を先に確認 |
| ③ その回の枠で締め切られる | 募集人員に達して締切 | 人気校・人気の回で起こりうる | 次の回の日程を把握しておく |
| ④ 出願手続きの不備 | 期限超過・書類の不備で受理されない | 実務上いちばん起こりやすい | 逆算して書類を手配する |
ひとまとめに「ほとんど落ちません」と説明されると、この4つが全部混ざったまま不安だけが残ります。分けて見ていきます。
① 選考で不合格になる
ここまで見てきた経路です。確率は学校と回で大きく変わります。 東京都立の前期選抜では受検221人中94人(42.5%)が合格に至らず、神奈川県と千葉県では0人でした。
選考で何が行われるかは学校によって違います。全国323校のうち面接を実施しているのが296校、小論文または作文が154校、学力検査問題による検査が91校です(複数選択可)。検査の中身と、公立の自治体差については通信制高校の面接で聞かれることは?に5自治体の比較表をまとめてあるので、そちらを見てください。この記事では中身には立ち入りません。
なお、学力検査を実施する学校であっても各校が独自に問題を作るため、偏差値の前提になる全国共通の母集団ができません。そのため通信制高校に偏差値という数字はありません。 その理由は通信制高校に偏差値はある?で制度の側から説明しています。
② そもそも出願できない(出願資格)
意外に見落とされる経路です。公立の通信制は、原則としてその都道府県に住んでいる人(または勤務先がある人)しか出願できません。
たとえば東京都立高校の通信制課程の応募資格は、定時制課程の応募資格を引き継ぐ形で定められていて、そこには「都内に住所又は勤務先を有し、入学後も引き続き都内に住所又は勤務先を有することが確実な者」という条件が置かれています(東京都教育委員会「東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」第2-3-1/2026年9月16日確認)。神奈川県や千葉県に住んでいる人が、東京都立の通信制を受けることはできません。
公立81校のうち79校が狭域(その都道府県の生徒だけを受け入れる)という全国の状況は、公立の通信制高校とは?で整理しました。私立・株式会社立の広域通信制は、この制約がないのが大きな違いです。
もうひとつ、いま高校に在籍している人・高校を中退した人の扱いは、同じ学校でも回によって違います。 東京都立の通信制課程でいうと、前期選抜は高校を中退した人のうち一定の条件を満たす人までが対象で、後期選抜になると在籍中の人も対象に含まれます(東京都教育委員会「東京都立高等学校通信制課程入学者選抜実施要綱」/2026年9月16日確認)。「もう高校に入ってしまったから無理だろう」と決める前に、その回の応募資格を読んでください。
③ その回の募集人員で締め切られる
受付そのものが、定員に達した時点で締め切られるケースです。通知の形が「不合格」ではなく「募集終了」になるため、選考で落ちたわけではありません。私立・広域通信制で、人気のコースや入学月に起こりえます。
東京都立の前期選抜は、これとは違います。238人の応募をすべて受け付けたうえで、検査の結果で125人分に絞っているので、形の上では①の不合格です。ただし、94人という数を決めていたのは検査の難しさではなく枠の大きさでした。募集人員25人の新宿山吹高校に71人が受検して、合格は募集人員ちょうどの25人。ここが①と③が見分けにくくなる理由です。
対処は、募集の回数と日程を先に把握しておくことに尽きます。年に1回しかない募集と、年4回ある募集では、1回落ちたときの意味がまったく違うからです。
④ 出願手続きの不備
実務上、いちばん起こりやすいのはここです。 出願期間に書類が間に合わない、中学校に書いてもらった調査書を開封してしまう、顔写真が条件を満たさない——こうしたつまずきは、面接の出来とは無関係に起こります。
具体的にどこでつまずくかは、出願がうまくいかない6つの要因にN高グループの募集要項をもとに整理しました。書類の取り寄せに時間がかかる点を含めた段取りはN高の出願はいつ?のほうが詳しいです。
私立・広域通信制の落ちる確率は分かりますか?
各校が結果を外に出していないのが一般的で、ここは正直に書きます。
N高グループの場合、公式サイトの入学案内・入学試験ページと生徒募集要項(PDF)を確認しても、合格率・志願倍率・募集定員のいずれも記載がありませんでした(2026年8月7日確認)。同じ状況は多くの私立通信制に当てはまります。ネット上で「合格率◯%」と書かれている数字は、公的に集計されたものではないと考えたほうが安全です。
では手がかりがないのかというと、そんなことはありません。公表されているもの/されていないものを整理すると、こうなります。
| 項目 | 公立 | 私立・株式会社立 |
|---|---|---|
| 募集人員(その回) | 教育委員会が公表 | 募集要項に記載あり |
| 志願者数・受検者数 | 教育委員会が公表(通信制は県による) | 原則として非公表 |
| 合格者数・合格率 | 教育委員会が公表(通信制は県による) | 原則として非公表 |
| 選抜の方法 | 実施要項に記載 | 募集要項に記載あり |
| 募集の回数・日程 | 実施要項に記載 | 募集要項に記載あり |
太字にしたところが重要です。合格率は手に入りませんが、「その回の募集人員」「選考の方法」「次の回がいつか」は、募集要項を手に入れれば読めます。 そして4つの経路のうち②③④は、この3つを読むだけで潰せます。
募集要項は、資料請求で届く封筒に同梱されているのが一般的です。私がN高グループに実際に請求したときも、学校案内のほかに生徒募集要項が入っていました。請求から2日で届いた実物の中身は別の記事に写真つきでまとめてあります。「落ちる確率」を気にしている段階の方にとって、いちばん実効性のある一手はここだと思います。
私の見ている範囲では、学校を探しはじめるのが子どもより親のほう、というのは珍しくありません。そして最初にできるのは、受験の準備ではなく、選考の方法と次の回の日程が書かれた紙を手元に置くことだと思います。
落ちる確率を下げるために、出願前にできること
やることは受験勉強ではありません。情報を手元にそろえることです。
最後の項目だけ補足します。募集人員に志願者が届かなかった場合でも不合格が出ることはあり、これを定員内不合格といいます。文部科学省の調査では令和7年度の公立高校で延べ1,806人・562校で発生していました。通信制も例外ではないので、「空いているから入れる」という前提で出願先を1つに絞るのは避けたほうが安全です。
志望校をどう絞るかの考え方は通信制高校の選び方にまとめています。
よくある質問
Q. 面接で落ちることはありますか?
選抜が行われている以上、可能性がないとは書けません。ただし面接単独で合否が決まる設計にはなっておらず、書類とあわせた総合判定とする自治体が多くあります。詳しくは通信制高校の面接を見てください。
Q. 落ちた場合、次に何をすればいいですか?
まず、志望校の次の募集の日程を確認してください。東京都立のように4月に第二次募集が出ることもあります。並行して、広域の私立通信制であれば年に複数回の入学月が設定されているのが一般的なので、そちらの募集要項も取り寄せておくと選択肢が増えます。
Q. 中学の欠席が多いと落ちやすいですか?
欠席日数だけで機械的に判定される仕組みにはなっていません。ただし調査書等の書類を選考に使う学校は全国323校のうち230校あるため、扱い方は学校によって違います。事情を申告できる仕組みを用意している自治体もあるので、不登校から高校受験はできる?もあわせて確認してください。
まとめ:確率は「学校」ではなく「その回の枠」で決まります
通信制高校に落ちる確率は、全国の平均値としては存在しません。代わりに公立の実数を見ると、答えは「その回に出ている枠の大きさ次第」でした。要点を並べます。
- 通信制高校の合格率は、全国をまとめた数字としては公表されていません。 集計する主体がないためです
- 公立は都道府県が実数を公表しています。 令和8年度の東京都・神奈川県・千葉県で結果が公表されている4つの選抜では、受検1,014人に対して合格918人。選考で不合格になったのは東京都の94人(9.3%)でした
- 東京都立の前期選抜だけが例外的に厳しく見えますが、その年度は後期選抜275人分、4月の第二次募集108人分と枠が続きました。前期の1.77倍は、募集を分割した結果の数字です
- 神奈川県は不合格0人、千葉県の一期も受検者全員が入学許可候補者でした
- 「落ちる」は4つの経路に分かれます。選考/出願資格/その回の枠/手続きの不備。このうち3つは、募集要項を読めば事前に潰せます
- 数字は年度と学校で変わります。いま見ている学校の、いまの回の募集要項を手元に置くことが、いちばん確実な対策になります
私が受験したころは、学校の数も情報も、いまよりずっと少ない時代でした。いまは、少なくとも公立については毎年きちんと数字が出ています。不安の正体が「分からないこと」なら、分かるところから1つずつ潰していけば、それだけで軽くなると思います。