「いまの高校を辞めずに、通信制へ移れるのだろうか」——通信制高校への転入を考えはじめた方が、最初に確かめたいのはここだと思います。そして次に来るのが、「いつまでに動けばいいのか」と「前の高校で取った単位はどうなるのか」でしょう。
はじめに、この記事が何でできているかを書いておきます。公的な統計と、公式に公開されている募集要項です。体験談は入っていません。転校という形で高校を移った経験が、私にはないからです(私が通信制に入ったのは高校の入学時で、学校もN高グループではありませんでした)。そこは補えないぶん、数字と要項の記載は出典をつけてそのまま並べます。
- 転入する人が実際にどれくらいいるのか、数字で
- 高1・高2・高3、それぞれ何が変わり、いつまでに動けばいいのか
- 前の高校の単位が、どういう理屈で引き継がれるのか
結論:通信制高校に入る人の約半分は、転入・編入です
まず、いちばん知りたい前提から書きます。通信制高校への転入は、珍しい選択ではありません。
文部科学省の学校基本調査によると、令和5年度間(令和5年4月1日〜令和6年3月31日)に通信制高校へ入学した人は111,501人でした(e-Stat 統計表161「入学者数・退学者数(本科)及び単位修得者数」 2026年9月17日確認)。
この111,501人の内訳は、55,634人(49.9%)が転入学・編入学です。全国私立通信制高等学校協会の実態調査報告書が、文部科学省の学校基本調査から参考値として引いています(私立通信制高等学校 実態調査(報告書) 令和8年1月23日公表/2026年9月17日確認)。この1行だけは協会の調査結果ではなく、全国の通信制高校を対象にした国の統計です。
入り口のちょうど半分が、途中から入ってきた人だということです。
通信制高校について書かれた記事の多くは、手続きと制度の説明から始まります。それは要る情報なのですが、そのせいで「転入はイレギュラーな手段」という印象を受けてしまうことがあります。数字の上では、そうではありません。
学年が上がるほど、在籍している人は増えていきます
もうひとつ、転入の多さが形になって表れているデータがあります。通信制高校は、学年が上がるほど在籍者が増えます。
| 年次 | 生徒数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1年次 | 24,043人 | 26.1% |
| 2年次 | 31,491人 | 34.2% |
| 3年次 | 35,546人 | 38.6% |
| 4年次以上 | 1,117人 | 1.2% |
| 合計 | 92,197人 | 100.0% |
(同報告書より。令和7年5月1日時点・回答61校の集計。2026年9月17日確認)
全日制であれば、学年が上がるにつれて人数はゆるやかに減っていきます。通信制は逆で、いちばん多いのは3年次です。報告書自身も、これは転入学・編入学が全入学者の50%程度を占めることが理由だと考えられる、と説明しています。
つまり、高2や高3で入ってくる人のほうが、高1から3年間通い続ける人より多いという構造です。「途中から入る」ほうが、むしろ多数派に近い。
なお同じ報告書には、民間事業者の調査による公立・私立別の年次構成比も参考として載っていて、公立は4年次が20.4%と大きく(令和4年度・学びリンク調べ)、私立とは形がかなり違います。通信制とひとくくりにせず、公立か私立かで在籍の仕方が変わるという点は、頭の隅に置いておくと選び方が変わってきます。
転入してくる人の4人に3人は、全日制からの転校です
では、どこから移ってきているのか。ここにも数字があります。
| 区分(令和6年度間) | 人数 | 在籍生徒数に対する比率 |
|---|---|---|
| 転入生 | 14,128人 | 16.2% |
| うち全日制高校からの転入生 | 10,480人(転入生の74.2%) | — |
| 編入生 | 1,309人 | 1.5% |
(同報告書より。在籍生徒数は令和6年5月1日現在の87,108人。2026年9月17日確認)
報告書はこの結果について、通信制高等学校は全日制高等学校で何らかの理由で転学を希望する生徒の受け皿となっていることが窺える、と書いています。
転入の主流は「全日制から通信制へ」です。 いま全日制に通っていて移ろうか迷っている方は、いちばん人数の多いルートを検討していることになります。
同じ報告書の集計表では、転・編入生のうち前籍校で不登校の状態にあった生徒は4,581人・47.8%でした(令和7年度・有効回答41校)。※この項目は報告書の本文と集計表で数値が食い違っているため、ここでは集計表の値を採っています(前年度の同じ項目は46.8%と報告されており、集計表の値と整合します)。約半数で、裏を返せば残りの半数は、前の学校では不登校の状態ではなかったということになります。転入は、学校に行けなくなった人だけの選択肢ではありません。
通信制高校の転入とは?編入との違いは「いま籍があるかどうか」
通信制高校の転入学とは、いま在籍している高校に籍を置いたまま、通信制高校へ移ることです。 籍が一日も切れません。これに対して編入学は、高校を辞めたあとに入り直すことを指します。そもそも辞めるかどうかから迷っている段階でしたら、高校を辞めたいと思ったら|「留年するくらいなら」の前にある選択肢のほうを先に読んでください。退学届を出す前に確かめられることを書いています。
また、まだ移り先を通信制に絞っていない段階なら、公立・私立の全日制や定時制も含めて、高校生が転校できる先を条件ごとに並べた記事があります。引っ越しを伴わない転校がどこまでできるのかを、教育委員会の要項で確かめました。
言葉が似ているので混ざりやすいのですが、この2つは根拠になっている条文から違います。
| 転入学 | 編入学 | |
|---|---|---|
| いまの状態 | 高校に在籍中 | 高校を辞めている |
| 根拠 | 学校教育法施行規則第92条 | 同第91条 |
| 条文での呼び方 | 「転学」 | 「第一学年の途中又は第二学年以上に入学」 |
| 在籍校側の書類 | 校長名の照会書類が要る(本人のWeb出願と並行) | 不要(本人の出願のみ) |
| 籍の空白 | ない | ある |
第92条第1項は、こう定めています。
他の高等学校に転学を志望する生徒のあるときは、校長は、その事由を具し、生徒の在学証明書その他必要な書類を転学先の校長に送付しなければならない。転学先の校長は、教育上支障がない場合には、転学を許可することができる。
一方の第91条は、こうです。
第一学年の途中又は第二学年以上に入学を許可される者は、相当年齢に達し、当該学年に在学する者と同等以上の学力があると認められた者とする。
(いずれもe-Gov法令検索「学校教育法施行規則」 現行有効版・2026年9月17日確認)
読み比べると、転入の手続きが学校から学校へ書類を渡す形で設計されていることがわかります。転入で必要な書類を本人や保護者が作れないのは、この条文の構造から来ています。
どちらを選ぶかは、自分では決められません
ここが実務上いちばん大事なところです。転入か編入かは、選択肢ではなく状態です。 いま籍があれば転入、辞めていれば編入。あとから入れ替えることはできません。
転入はいつまでにできる?公式の募集要項で期限を確認しました
受付の期限は学校ごとに違います。 ここは一般論が通用しないので、公開されている募集要項から具体例を引きます。
N高グループ(N高等学校・S高等学校・R高等学校)の2027年度 生徒募集要項には、こう書かれていました。
転入学は随時受付しています(1年次・2年次は1月まで、3年次は12月まで)。入学月の1カ月前を目安に出願してください。
(N高等学校・S高等学校・R高等学校「2027年度 生徒募集要項」 2026年9月17日確認)
表にすると、こうなります。
| 学年 | 年度内の受付の上限 | 出願の目安 |
|---|---|---|
| 1年次 | 1月まで | 入学月の約1か月前 |
| 2年次 | 1月まで | 同 |
| 3年次 | 12月まで | 同 |
3年次だけ、1か月早く締まります。 検討している側から見れば、「時間の余裕がいちばん少ない学年が、いちばん早く締め切られる」という形です。ここは見落とされやすいところだと思います。
なお、募集要項に載っている出願期間の表は2027年度の4月入学生に向けたものですが、転入学の受付はそれとは別に「随時」と書かれています。 ただし、公式サイトのよくあるご質問では週5コース・週3コース・週1+コースの入学は4月・7月・10月・1月の年4回と案内されているので、通学するコースを選ぶ場合は時期の考え方が変わります(よくあるご質問 2026年9月17日確認)。転学日を毎月1日で設定する運用や、必要書類5点の中身といった手続きの細部は、N高等学校への転入手続きガイドにまとめてあります。この記事では時期の考え方だけを扱います。
転学したい月から逆算すると、こうなります
期限だけを見ていると間に合いません。転入の手続きには、自分ではコントロールできない待ち時間が含まれているからです。
転学したい月を決める
N高グループは転学希望日が毎月1日。手続きが月単位で区切られます
その1か月前を目安に出願する
Web出願と、書類の提出がここに入ります
さらに前に、在籍校へ書類の作成を依頼する
作るのは先生です。何日かかるかは学校の都合によります
いちばん最初に、在籍校へ相談する
転学したいという意思を伝えるところから始まります
書類の作成にどれくらいかかるかは、学校や時期によって変わります。学期末や年度末は先生の手が埋まりやすいので、転学したい月の2か月ほど前には相談を始めておくと、余裕を持って進められます。
ここまでを学年別に1枚にすると、こうなります。
| 学年 | 受付の上限 | 相談を始める最終ライン | 先に手をつけること |
|---|---|---|---|
| 1年次 | 1月まで | 11月ごろ | 志望校の要項で転入学の項を確認 |
| 2年次 | 1月まで | 11月ごろ | 成績・単位修得証明書で修得済み単位を把握 |
| 3年次 | 12月まで | 10月ごろ | 上に加えて、卒業に必要な残り単位を数える |
上限はN高グループの2027年度 生徒募集要項の記載で、学校ごとに違います。志望校の要項で確認してください。 最終ラインのほうは、出願が入学月の約1か月前・相談はさらにその前、という逆算から当サイトで置いた目安です。
秋に動きはじめると、どうなるか
2学期が始まって、学校に行けているかどうかがはっきりしてくる時期です。相談を始めた月を起点に逆算すると、こうなります。
- 翌月1日の転学は、出願の目安(1か月前)をすでに過ぎています。間に合うかは在籍校の書類次第
- これから相談を始めるなら、2か月先・3か月先の月初が現実的な着地点です
- 上の表のとおり3年次は12月が上限なので、秋の時点で選べる回数はもう多くありません
急かすつもりはありません。ただ、「年明けにゆっくり考えよう」と思っている3年生にとっては、そのときには受付が終わっている可能性がある——この1点だけは、先に知っておいたほうがいいと思います。
高1・高2・高3、学年別に何が変わるのか
学年によって変わるのは、大きく3つです。引き継げる単位の量、卒業までに残っている時間、そして受付の期限。 順に見ていきます。
高1で転入する場合
引き継ぎの論点がいちばん小さい学年です。 高校1年生の途中では、修得した単位がまだ確定していないことが多いためです。単位は年度末や学期末にまとめて認定されるので、年度の前半に移る場合、持ち出せるものがほとんどない状態になります。
裏を返せば、「せっかく取った単位が無駄になる」という心配は小さいということです。高1の転入で気にするべきなのは、単位よりも在籍期間のほうになります。
もうひとつ、履修の自由度も学年で違います。N高グループの募集要項には、1年次は全員が同じ履修モデルのため履修科目の追加および変更ができず、2年次以降は進級時に変更できる、という趣旨の記載があります(2026年9月17日確認)。移った初年度は、用意された時間割に乗る形になると考えておくとよいと思います。
受付の上限は1月まで。1年次は、時期の余裕という意味ではいちばん残っています。
高2で転入するのは遅いですか?
遅くありません。 先ほどの年次別のデータでは、2年次の在籍が31,491人(34.2%)で、1年次の24,043人(26.1%)を上回っていました。人数の面では、2年次のほうが多数派です。
受付の上限は1年次と同じ1月まで。期限そのものには、まだ余裕がある学年です。
ただし、引き継ぎの確認がいちばん効くのも高2です。1年分の修得済み単位があるので、それが認められるかどうかで卒業の時期が変わってきます。
ここで効いてくるのが「履修中」と「修得済み」の違いです。いま受けている授業は、まだ単位として確定していません。あと少しで修得できたはずの単位が、移るタイミング次第で持ち越せなくなることがあります。この見極め方は通信制高校への転入で後悔しないためにに、確認しておきたい項目として整理しています。
そして、単位を落としても通信制では学年ごとやり直しにはなりません。その仕組みは通信制高校に留年はある?に書きました。取り直しの効く構造かどうかを知っておくと、時期の判断が少し楽になります。
高3で転入して、同級生と同じ3月に卒業できますか?
可能性はありますが、学校と単位の状況次第です。 そして、実際にそうしている人は少なくありません。
文部科学省の実態調査には、令和6年度に通信制高校を卒業した90,872人を、その学校での在籍期間別に分けた集計があります。ここから2つの数字を取り出します。
- その学校での在籍が1年未満だった卒業生:5,853人(6.4%)
- 在籍3年未満だった卒業生:44,062人(48.5%)
(文部科学省「令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について」 令和8年8月31日公表・調査時点は令和7年5月1日/2026年9月17日確認。割合は当サイトで算出)
高校の卒業には通算3年以上の在籍が要ります。ですので、在籍3年未満で卒業した人は、その前に別の高校か別の課程にいたことになります。 冒頭で見た「入り口の半分が転入・編入」という数字は、出口の側からも裏が取れるということです。
なかでも注目したいのは、在籍1年未満で卒業した5,853人のほうです。移った学校にいた期間が1年に満たないまま卒業まで届いている——最終学年の途中で転入・編入して、そのまま卒業した人たちの実数だと読めます(4月から通えば在籍はちょうど1年になるので、この区分に入るのは年度の途中で移った人です)。「高3から移っても卒業できるのか」という問いに対して、これ以上に直接的な答えは、なかなかありません。
設置者別に見ると、内訳はかなり違います。
| 設置者 | 令和6年度卒業生 | うち在籍3年未満 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 公立 | 9,215人 | 3,849人 | 41.8% |
| 私立 | 71,729人 | 33,193人 | 46.3% |
| 株式会社立 | 9,928人 | 7,020人 | 70.7% |
| 全体 | 90,872人 | 44,062人 | 48.5% |
(同調査の集計表をもとに当サイトで算出。この調査の「私立」は学校法人が設置した学校を指し、構造改革特区の制度で株式会社が設置した学校は「株式会社立」として分けられています。四捨五入のため端数がずれます)
株式会社立では7割が在籍3年未満です。学校の設置のされ方によって、途中から入ってくる人の比率がここまで変わる。志望校を選ぶとき、「その学校が途中からの入学をどれくらい受け止めてきたか」は、見ておく価値のある観点だと思います。なお、N高グループを運営しているのは学校法人角川ドワンゴ学園なので、この表では私立(46.3%)の側に入ります。
そして高3は、受付の期限がいちばん早い学年でもあります(N高グループでは12月まで)。単位が足りるかの確認と、期限の確認を同時に進める必要があるのが、この学年の難しさです。
もし確認の結果、卒業が半年や1年ずれるとわかっても、そこで終わりではありません。在籍を1年延ばして卒業する選択については、通信制高校は4年で卒業してもいいに、自分の体験も含めて書きました。
前の高校の単位は、どこまで引き継げるのか
制度としては、引き継ぐ前提で作られています。 学校教育法施行規則第92条第2項に、こう書かれています。
全日制の課程、定時制の課程及び通信制の課程相互の間の転学又は転籍については、修得した単位に応じて、相当学年に転入することができる。
(e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」 現行有効版・2026年9月17日確認)
全日制から通信制へ移る場合も、修得した単位に応じて相当の学年に入れると、明文で定められているということです。ゼロからやり直しになる仕組みではありません。
卒業に要る単位数は74単位以上(同規則第96条)。この74単位のうち、前の学校で積み上げた分がどこまで乗るかで、残りの負担が決まります。
ただし、何単位認めるかを決めるのは移る先の学校です
制度が引き継ぎを認めていることと、実際に何単位認められるかは別の話です。判断するのは、移る先の学校になります。
その判断材料になるのが、在籍校が作成する成績・単位修得証明書です。科目ごとの単位数だけでなく、その科目の学習が完結しているかどうかまで記載される書式になっています。
N高グループの出願書類には、引き継ぎの可否について、前籍校の学校種別や履修状況によっては修得済みの単位を引き継げない可能性があり、可否は届いた出願書類を確認しないと判断できず、書類の到着前の問い合わせは受けられない、という趣旨の注記があります(N高等学校「出願書類」 2026年9月17日確認)。
つまり「先に電話で単位数を確かめてから決める」という順番が取れない場合があるということです。書類の中身や、提出前のチェックの実務はN高等学校への転入手続きガイドに細かく書いています。
それでも、手元で先にできることはあります。 在籍校から成績・単位修得証明書を取り寄せて、自分がいま何単位を修得しているのかを正確に把握しておくことです。認定されるかどうかは相手の判断でも、数字そのものは自分で確認できます。 これがあるのとないのとでは、個別相談の中身がまるで変わります。
学校を選ぶ材料としては、複数校の資料を並べて、コースごとの履修の組み方と年間の単位数を見比べるのが早いと思います。N高グループの資料を実際に取り寄せたときに何が届いて、どこまで分かったかは、別の記事に記録しました。1校だけを見ていると、条件が厳しいのか普通なのかが判断できません。
なお、転入の選考で面接がある場合に何を聞かれるかは、通信制高校の面接で聞かれることは?にまとめています。新入学とは聞かれ方が少し変わる部分です。
転入したあと、教室で浮かないか
数字と手続きの話が続いたので、ここでは学校生活の側面を書きます。途中から入ることで、居場所がなくなるのではないかという心配は、統計では解けません。
ですので、自分が座っていた教室の話を書きます。途中から入ってくる人は、私の通っていた学校では珍しくありませんでした。顔ぶれのほうは、こんな具合です。
この「席が固定されていない」という点は、転入を考えている方には意味があると思っています。全日制のように、できあがった座席表の空席に途中から座る、という構図になりにくいからです。毎回の顔ぶれが入れ替わる環境では、「最初からいた人」と「途中から来た人」の境目が、そもそも薄くなります。
もちろん、学校やコースによって形は違います。ネット中心のコースであれば、教室に入るという場面自体が少なくなります。ただ、途中から入ることが構造的に浮きやすいわけではない、というのは書いておきたいところです。
親に、あるいは子どもに、どう切り出すか
転入で最初につまずくのは、手続きではなく会話であることが多いと感じています。
このキーワードで検索すると、上位に知恵袋の質問が出てきます。転校を考えている高校生が、実際に移った人に対して「なぜ通信制にしようと思ったか」「親には何と伝えたか」を聞いているものです。手続きの前に、そこで止まっている人が実際にいるということです。
私自身は転入の経験がないので、そのときの切り出し方を体験として語ることはできません。ただ、「行く」か「行かない」かの二択で消耗していた感覚なら、覚えています。高校をどうするか考えていたころ、自分のなかで起きていたことです。
いま高校に在籍していて、通えなくなっている方の状況も、構造は似ているかもしれません。「続ける」か「辞める」かの二択に見えているとき、転入はその間にある選択肢です。二択で話すと対立になりますが、三つめがあるとわかっていれば、会話は相談に変わります。
親御さんの側の受け止め方や、子どもからどう切り出されると話が進みやすいのかについては、子どもから通信制と言われたとき、親は何を思うかのほうで書きました。この記事で扱っている手続きの話より、先に来る部分だと思います。
お金は、いつ、いくら動くのか
年度の途中で移ると、辞める側への支払いと、入る側への支払いが、同じ年度のうちに両方来ます。 重なり方のほうが家計に効きます。
転入に固有なのは、N高グループの募集要項にある転入学・編入学の方は「支給見込額の先引き」が利用できないという記載です(2026年9月17日確認)。支援金が受けられないのではなく、いったん納めてから、あとで受け取る形になります。
費目の洗い出しは通信制高校への転入で後悔しないために、納入と支給の実務はN高等学校への転入手続きガイド、支援金の切り替えは通信制高校の学費は無償化でどうなる?に書いています。
まとめ
通信制高校への転入は、入り口の半分を占めている、ごく一般的な入り方です。そのうえで、学年によって残り時間が違います。
- 入学者111,501人のうち55,634人(49.9%)が転入学・編入学。 転入生の74.2%は全日制からの転校です
- 在籍は1年次26.1%・2年次34.2%・3年次38.6%。 学年が上がるほど増えるのが通信制の形です
- 転入か編入かは状態で決まります。 退学届を出した時点で、転入は選べなくなります
- 期限は学校ごと。 N高グループは1年次・2年次が1月まで、3年次だけ12月までです
- 単位は「修得した単位に応じて相当学年に転入できる」(学校教育法施行規則第92条第2項)。ただし認定するのは移る先の学校です
- 高3から移って卒業した人は実在します。 在籍1年未満での卒業が5,853人(6.4%)
- 動くなら、転学したい月の2か月前を目安に在籍校へ相談を始めてください
最後にひとつだけ。この記事に書いた期限や条件は、年度ごとに更新されます。 手元にある最新の募集要項が基準です。そして、迷いが残っている段階で手続きを進める必要はありません。どの学校にするかは、じっくり比べて構いません。 先に押さえておくのは日付だけでいいと思います。在籍校に相談する時期さえ間に合っていれば、選ぶ時間はあとから作れます。