この記事には、学校に行くための方法も、行かなくていい理由も書いていません。

どちらにするかを決めるのは、読んでいるあなたです。私が横から判定することではないと思っています。書いてあるのは、それを決める前の段階でできることだけです。

「中学生 学校行きたくない」と打ち込んでいるのは、本人だけではありません。親も同じ言葉で検索しています。この記事は、前半を本人に、後半を親に向けて書きました。

あなたが本人なら、このまま読み進めてください。親の方で、何をすればいいかを探しているなら不登校の子の進路、親にできることが、「自分のせいだ」という気持ちが強いなら「不登校は親のせい」と責められている方へが、この記事より先だと思います。すでに高校生で「辞めたい」と思っているなら、話が変わるので高校を辞めたいと思ったときにへ。中学3年生で受験の期限が気になっている場合は、目次から「中学3年生の場合は、時間の制約があります」へ直行してもらってかまいません。

書いているのは、中学1年の途中から学校へ行けなくなって、卒業までほとんど登校しなかった人間です。そのあと通信制高校に進み、いまは働きながら二児の親をしています。20年ほど前の話なので、制度や数字の部分は国の調査で埋めます。

ぜんぶ読む必要はありません。伝え方だけ知りたいときは、「親に言えないまま、伝える方法はありますか?」から読んでください。数字の話は、あとからでも戻れます。

「学校行きたくない」中学生は、どれくらいいますか?

中学校で年間30日以上休んでいる生徒は、216,266人です。 生徒1,000人あたり67.9人、人数だけで言えば、おおむね15人に1人にあたります。

前提として、不登校とは、病気や経済的な理由を除いて年間30日以上欠席した状態を指す言葉です。 文部科学省が毎年の調査で使っている区分で、その人の性格や将来を測るものではありません。

出典は文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」(資料2・2026年9月23日確認)です。学年別に並べると、こうなります。

学年人数(令和6年度)
小学6年生38,080人
中学1年生58,736人
中学2年生77,066人
中学3年生80,464人
中学校 合計216,266人

同じ年の小学6年生と中学1年生を比べると、人数がおよそ1.5倍になっています。別の学年の別の人たちを並べた数字なので、「小6の子が中1で増える」という追跡ではありません。それでも、中学に上がったあたりで人数が段差のように変わることは、この表から読めます。

理由を一言で説明できなくても、おかしくありません

理由を説明できてから言う、という順番でなくて大丈夫です。 国がやっている調査でさえ、理由を1つに決めていません。

さきほどの調査には「不登校児童生徒について把握した事実」という項目があります。学校が把握している事情を、当てはまるものをすべて回答する形式です。中学校の分を、多い順に5つだけ挙げます。

学校が把握した事実中学校の人数割合
学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった65,025人30.1%
不安・抑うつの相談があった52,661人24.4%
生活リズムの不調に関する相談があった52,510人24.3%
学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた33,907人15.7%
いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった30,395人14.1%

(同調査・2026年9月23日確認。割合は中学校の不登校生徒数216,266人に対するもの)

注目してほしいのは、いちばん多い項目でも30.1%どまりだというところです。半分を超える項目が1つもありません。しかも複数回答なので、1人に2つ3つと付いている人がたくさんいます。逆に「左記に該当なし」も10,553人(4.9%)います。

理由が1つに決まらない、というのが、集計した側から見た形です。 自分の中でまとまっていないのは、あなたの説明が下手だからではないと、私は考えています。

念のために書いておきますが、上の表は原因の一覧ではありません。 学校が把握した範囲の話で、あなたに当てはめるためのものではありません。私は医療や心理の専門家ではないので、誰かの状態を診断することはできませんし、するつもりもありません。

親に言えないまま、伝える方法はありますか?

あります。説明の量を減らす、相手を変える、誰にも知られずにやる。この3通りです。 順に書きます。

先に、いちばん誤解されやすいところを書いておきます。「学校に行きたくない」と伝えることと、「もう学校には行かない」と決めて告げることは、別のことです。前者は状況の共有で、後者は決定です。前者を言っても、何かが決まってしまうわけではありません。

1. 説明しないで伝える

理由を省いて、事実だけ渡す形があります。

3つめについて補足します。親に言えない理由として多いのは、心配をかけたくないというものだと思います。ただ、話が「どうするか」に移った瞬間に、心配は一気に大きくなります。先に「まだ決める話じゃない」と枠をはめておくと、そこを少し遅らせられます。

2. 相手は、親でなくてもかまいません

家の中に言える相手がいないことと、誰にも言えないことは、別です。

学校の中なら、担任でなくてもかまいません。保健室の先生、部活の顧問、去年の担任、スクールカウンセラー。学校の外なら、塾や習い事の先生、図書館や児童館の職員、親戚の大人。

学校のことを、学校と関係のない大人に話すほうが楽な場合があります。 その人は明日の教室を動かせませんが、動かせないからこそ、話したことが学校で何かを動かしてしまう心配をしなくて済みます。

私の場合、大人との相性はかなりばらつきました。

同じ「先生が家に来る」でも、相手が誰かで意味がまったく違いました。 嫌だったほうは、私が甘えていたからではないと思っています。関係がない人に踏み込まれたら、しんどいのは当たり前です。

カウンセラーについても、正直に書いておきます。

これは、カウンセラーに行っても無駄だという話ではありません。私に合わなかったというだけで、救われる人はたくさんいます。書いておきたいのは、合わない大人に当たることはあるということと、そのときに「自分が悪いのかもしれない」と考えなくていいということです。1人目が合わなくても、それで打ち止めではありません。

3. 誰にも知られずにできること

名前を出さずに、言葉にする練習だけしておく方法があります。

文部科学省が案内している「24時間子供SOSダイヤル」は、0120-078310(なやみ・いおう)です。「夜間・休日を含め24時間対応」と書かれていて、案内の文言は「悩んでいる子供や保護者等がいつでも相談できるよう」となっています(文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」について・2026年9月23日確認)。子ども本人がかけることが前提に入っている窓口です。

電話が難しい場合は、厚生労働省「まもろうよ こころ」(2026年9月23日確認)に、LINEやウェブチャットで相談できる窓口が一覧になっています。そのなかには、18歳までの子どものためのチャット相談(チャイルドライン支援センター)や、24時間365日・無料・匿名と書かれているもの(あなたのいばしょ)があります。

それから、もうひとつ。私の場合、家族にも学校にも話していない時期に、話し相手がゼロだったわけではありませんでした。

学校の話をした覚えはありません。それでも、毎日誰かと言葉を交わす時間があったこと自体は大きかったというのが、いまの私の見方です。似た形でつながっている相手がいるなら、それは「何もしていない」には入りません。

「学校に行きたいのに行けない」という状態について

行きたい気持ちと、行けないことは、同時に成り立ちます。 どちらかが本当でどちらかが嘘、という関係ではありません。

私が行けたのは、1日だけでした

この日について、いまの私が言えることはひとつだけです。行こうとしたこと自体は、行けなかったことで消えるわけではありません。 結果のほうだけを数えると、1日も消えてしまいます。

「行きたくない」と「行きたいのに行けない」は、検索されている言葉としては別ですが、片方だけを持っている人のほうが少ないのではないかと思っています。私自身、高校を選ぶ時期には、普通の高校生活を送ってみたい気持ちと、怖いから行きたくない気持ちの両方を、同時に持っていました。

体の不調や、涙について私が書けないこと

ここは、私が書ける範囲の外にあります。 朝になると体が動かない、考えていると涙が出てくる——そういう状態がどこから来ているのかを、私は判定できません。体験を持っているだけで、医療の知識がないからです。

書けることは2つだけです。

1つめ。それを「気のせい」「甘え」と、自分で判定しないでください。 判定するには材料が要りますが、いまのあなたはその材料を持っていません。私も持っていません。

2つめ。体の症状が続いているなら、そこは扱ってもらえる領域です。 学校に行くかどうかとは切り離して、医療機関や、上に挙げた相談窓口に持ち込めます。「学校を休むための診断書がほしい」という相談でなくてかまいません。眠れない、頭が痛い、食べられない、というところだけで成立します。

家の中で、親も子も黙っていることがあります

私の家では、子ども側も親側も、学校の話をしませんでした。 どちらかが黙っていたのではなく、両方です。

この話を、良かったとも悪かったとも書くつもりはありません。「何も言わないのが正解でした」と書けば、いま声をかけている親を否定することになりますし、「もっと話すべきでした」と書けば、言葉が見つからない親を責めることになります。 どちらも、私が言えることではありません。

書けるのは形だけです。片方が黙っているとき、もう片方も別の理由で黙っていることがある。 相手が何も言ってこないことは、無関心の証拠にならない——少なくとも、うちはそうではありませんでした。

もしいま親の立場でこれを読んでいて、自分を責める気持ちが強いなら、この記事より先に「不登校は親のせい」と責められている方へを読んでいただいたほうがいいと思います。自責の中身を事実で分解したうえで、保護者が自分のために使える窓口を並べたページです。

休んでいる間、出席と成績はどう扱われるのか

欠席が出席として記録される場合があります。 これは気休めではなく、国の調査に人数が出ている話です。

令和6年度の同じ調査から、中学校の分を抜き出します。

扱い中学校の人数
学校外の機関等で専門的な相談・指導等を受け、指導要録上の出席扱いとした28,516人
自宅におけるICT等を活用した学習活動を指導要録上の出席扱いとした8,433人
欠席期間中に行った学習の成果を、指導要録に反映した58,578人
うち、各教科の「観点別学習状況の評価」「評定」等に反映した49,418人

(文部科学省・同調査/2026年9月23日確認。上2つは重複があり得ると注記されています)

指導要録とは、在学中の学習の記録を学校が作成して保存する公式の書類です。 高校入試で使われる調査書は、この指導要録をもとに作られます。つまり4行目の49,418人は、休んでいる期間の学習が、成績の評価のほうに反映された中学生ということになります。

これは、本人よりも親のほうが確認しやすい部分だと思います。在籍している中学校に聞ける質問の形にしておきます。

民間のフリースクールも考えている場合、月謝の相場や自治体の補助、通学定期が使える条件はフリースクールの費用を国と自治体の資料で整理した記事にまとめています。

親の側が具体的に何をするかは、この記事の担当範囲ではありません。助かった関わり方と、つらかった関わり方を仕分けたものは不登校の子の進路、親にできることにあります。先の見通しが立たなくてしんどいという場合は、私自身の20年後と、雇ってきた子たちのその後を不登校の子の将来はどうなる?にまとめてあります。

すでに高校生で、学校に行けなくなっている場合は、中学とは仕組みが変わります。単位や留年が関わってくるからです。高校生の不登校の人数とその後の道は、高校生の不登校を国の調査で整理した記事にまとめています。

中学1年・2年のうちは、進路の締切はまだありません

この時期に前倒しで決めなければならないことは、ほとんどありません。 高校の出願は中学3年生の話で、いまの学年でどうにかしないと間に合わない、という期限はないからです。

この見出しをわざわざ立てたのは、不登校について検索していると、進路の話がすぐ出てくるからです。学校説明会、学校見学、資料請求。どれも中学3年生に向けて書かれているものが多く、中学1年・2年で読むと「もう動かないと手遅れなのか」と読めてしまいます。

そうではありません。中学1年・2年の段階で必要なのは、道が1本ではないと知っておくことだけです。

  • 高校には全日制・定時制・通信制の3つの課程があり、入試の形も、出席日数の重みも違います
  • 通信制高校がどういう仕組みなのかは通信制高校とは?にまとめました。読むのに誰の許可も要りません
  • いま調べたことは、2年後にそのまま使えます。 逆に、いま決めても2年後には状況が変わっています

急がなくていい理由は、もうひとつあります。私の場合、意識が動いたのは自分でも予想していないタイミングでした。

このタイミングは、誰かに説得されて来たものではありませんでした。来るのが早い人も遅い人もいて、外から早めることは難しいというのが、私の実感です。だから中学1年・2年のご家庭に向けて、「早く動いたほうがいい」とは書きません。

中学3年生の場合は、時間の制約があります

中学3年生だけは、外側に期限があります。 高校の出願には締切があり、これは本人の状態とは関係なく進むからです。

ただし、「受験できるかどうか」を心配する段階ではありません。 中学校を卒業見込みであれば、出席日数が少なくても出願そのものはできます。問題になるのは、どの入口を選ぶかで調査書と出席の扱いがまったく違う、という点のほうです。

  • 内申点と出席日数が課程ごとにどう見られるか
  • 全日制/定時制/通信制/高卒認定という4つの選択肢の中身
  • 中3の1年間で、いつ何をするのかの段取り

この3つは不登校から高校受験はできる?に、公的な資料をもとに整理してあります。中学3年生でこの記事にたどり着いた方は、そちらのほうが実用的だと思います。

進路の候補を家の中に置くところまでは、本人が動けなくても進められる部分です。取り寄せること自体は、その学校に決めることにはなりません。 私が実際に1校分を請求してみて、請求してから何日で、何が入っていたかを記録に残してあります。中身を見てから渡すかどうかを決める、という順番でも構いません。

なお、通信制を候補として親子で話す段になると、今度は別の難しさが出てきます。子ども側の「申し訳ない」と、親側の「これでよかったのか」です。そこは通信制高校と親の気持ちに、両側から書きました。

まとめ

「学校行きたくない」と思っている中学生に、正解を渡すことはできませんでした。できたのは、決める前にできることを並べることだけです。

  • 中学校で年間30日以上休んでいる人は216,266人(中1 58,736人/中2 77,066人/中3 80,464人)。ただしこの数字は、自分が多数派かどうかを判定する道具にはなりません
  • 理由を一言で言えなくて大丈夫です。 国の調査でも、いちばん多い項目が30.1%どまりで、1つに決まっていません
  • 親に言えないときは、説明の量を減らす/相手を変える/誰にも知られずに言葉にしてみるの3通りがあります。全部説明してからでないと言ってはいけない、という決まりはありません
  • 大人との相性にはばらつきがあります。1人目が合わなくても、そこで打ち止めではありません
  • 家の中で、親も子も黙っていることがあります。相手が何も言ってこないのは、無関心の証拠にはなりません
  • 休んでいる間の出席と成績には、確認できる制度があります。適用は学校の判断なので、在籍校に聞くところから始まります
  • 中学1年・2年に、進路の締切はありません。 急ぐ話は中3からです

行くか行かないかを、この記事では決めませんでした。そのかわり、決める前にできることは、思っているより残っているということだけは、書けたと思っています。