「大阪でN高に通うなら、梅田と心斎橋のどっちがいい? 江坂キャンパスって何?」
大阪府内には、N高グループの通学キャンパスが7か所あります。そのうえで、名前に「キャンパス」とつく江坂は、いまは通学のためのキャンパスではありません。まずはこの整理から始めます。
N高等学校の大阪のキャンパスとは、天王寺・梅田・心斎橋・京橋・堺東・大阪池田・枚方の7つの通学キャンパスのことです。 なかでも心斎橋は、2017年4月に東京・代々木と並んで開いた、N高の通学コースで最初のキャンパスです。
この記事では、7キャンパスの場所と違い、江坂の正体、学費、そして大阪の家庭がいちばん誤解しやすい大阪府の授業料無償化がN高グループに使えるかを、公式サイトと大阪府の資料で確かめました。
大阪府内の7キャンパス
| キャンパス | 所在地 | 最寄り | 開校 |
|---|---|---|---|
| 心斎橋 | 大阪市中央区 | 心斎橋駅 徒歩4分/難波駅 徒歩5分 | 2017年4月 |
| 梅田 | 大阪市北区 | 阪急大阪梅田駅 徒歩3分/JR大阪駅・大阪メトロ梅田駅・中津駅 徒歩5分 | 2021年4月 |
| 天王寺 | 大阪市阿倍野区 | JR・大阪メトロ天王寺駅 徒歩3分/近鉄大阪阿部野橋駅 徒歩3分 | 2022年4月 |
| 堺東 | 堺市堺区 | 南海堺東駅 徒歩7分 | 2024年4月 |
| 京橋 | 大阪市中央区(大阪ビジネスパーク) | JR京橋駅 徒歩3分 | 2025年4月 |
| 大阪池田 | 池田市 | 阪急宝塚線池田駅 徒歩2分 | 2025年4月 |
| 枚方 | 枚方市 | 京阪枚方市駅 徒歩1分 | 2026年4月 |
(出典:N高グループ公式サイト「キャンパス一覧」と各キャンパスのページ、開校の発表をもとに当サイトで開校順に整理。2026年10月26日確認。開校は発表時の予定時期)
7キャンパスとも、開いている時間は平日9:00〜18:00で、週5・週3・週1+の通学コースが選べます。公式のよくある質問は、授業内容やコンセプトはキャンパスによって変わらない(特別講師の招聘などを除く)としているので、基本は家から通いやすい場所で選ぶことになります。大阪市内の4か所に加えて、2024年以降は堺・池田・枚方と府内の各方面に広がりました。
キャンパスのページの写真には差があります。梅田は説明文つきの写真が7枚、心斎橋と天王寺は写真だけが載っています。京橋・堺東・大阪池田・枚方の写真には「キャンパスの写真はイメージです」と書かれていて、実際の教室の写真ではありません。新しいキャンパスの雰囲気は、写真ではなく見学で確かめてください。
心斎橋:代々木と並ぶ、N高で最初の通学キャンパス
N高の通学コースは、2016年10月に「東京・代々木と大阪・心斎橋に2校のキャンパスを新設」すると発表され、2017年4月に開きました。心斎橋は、新宿代々木と並ぶ最初のキャンパスで、住所は開校のときから変わっていません。公式サイトでの心斎橋キャンパスのURLは /campus/osaka/ です。
心斎橋には、ほかにも「最初」があります。2017年7月には、N高の通学コースで初めてのオープンキャンパスがここで開かれました(公式ブログ)。2018年には、建て替え中だった大丸心斎橋店本館の元の姿を、生徒たちがマインクラフトで復元するプロジェクトもありました。地域とつながる活動が、開校のころから行われていたキャンパスです。
ほかにも、2018年には心斎橋の生徒の「1000円VR」というプロジェクトが「マイプロジェクトアワード」の全国大会に進んだこと、慶應義塾大学の特別招聘教授(当時)の夏野剛さんによる特別授業が心斎橋から全国の通学キャンパスへ中継されたことが、公式のお知らせに残っています。
心斎橋の生徒の声(公式ブログより)
2022年2月の公式ブログには、心斎橋に3年間通った生徒が卒業を前に書いた振り返りが載っていて、「この入学式で出会った仲間とは今でも良い友だちです」とあります。2022年11月には、心斎橋の1年生が、在校生が主体となって運営する通学コースの体験会を紹介しています。2023年7月には、心斎橋から総勢50名を超える生徒が海遊館と謎解きの校外学習に参加しました。いずれも記事が書かれた時点の話ですが、生徒が企画する側に回る文化が続いていることが分かります。
梅田:プログラミングの通学型と、超!オープンキャンパス
梅田キャンパスは2021年4月の開校で、府内の通学キャンパスとしては2番目に古い場所です。ここには、ほかの府内キャンパスにないものが2つあります。
ひとつは、+ONE授業の「プログラミングマスターズパック」の通学型です。平日の午前から午後まで、教室で開発に打ち込むためのパッケージです。公式ページに書かれた通学型の拠点は「新宿代々木・梅田の2拠点」で、西日本で通いながら受けられるのは梅田だけです。2027年度の募集要項では、通学型は入学前の購入で137,500円です。ほかの+ONE授業との違いは、N高の課外授業・+ONE授業で比べています。
もうひとつは、規模の大きい「超!オープンキャンパス」です。2026年10月に確認した時点では、府内で開いているのは梅田だけでした。説明会に加えて、興味のある分野のブースを自分で選んで回れるのが、通常のオープンキャンパスとの違いです。
公式ブログ(2023年)には、梅田の生徒の強い要望から、N高・S高の通学コースで初めての図書委員会が2022年度にできた、という話も紹介されています。2023年5月のブログでは、テーマごとに「賛成」「反対」に分かれて議論する「Nゼミ」の様子も紹介されています。
また、2026年3月のN高グループの合同卒業式は、梅田のサンケイホールブリーゼで開かれ、N高・S高・R高から11,141名が卒業しました(合同卒業式は毎年違う都市で開かれます)。2026年7月には、全国高等学校麻雀選手権大会の西日本予選の会場が梅田キャンパスでした。全国規模の行事の会場として使われることもあるキャンパスです。
天王寺・堺東・京橋・大阪池田・枚方
天王寺キャンパス(2022年4月)については、公式ブログにいくつかの話が載っています。生徒の「七夕のお願い」から本格的な卓球台が置かれたこと(2023年2月)、週5の生徒が天王寺動物園での展示とワークショップに取り組んだ「天王寺キャンパスのみの特別な」プロジェクト(2023年8月)などです。2023年12月からは、心斎橋と天王寺の合同で、堺市をはじめ企業から集めた木や布などの端材を使うプロジェクトも行われました。
堺東(2024年)・京橋(2025年)・大阪池田(2025年)・枚方(2026年)は、開いてからまだ日が浅く、キャンパス名の入った公式ブログは見当たりませんでした。開校を発表したときの計画の定員は、天王寺240名、梅田260名、心斎橋200名に対して、堺東150名、京橋130名、大阪池田130名、枚方70名です。いまの定員は公表されていませんが、2024年以降に開いた4か所は、大阪市内の3か所より小さめに計画されていることが分かります。通学コースは、キャンパスの定員の状況によって途中で募集を止めることがある、と入学案内に書かれています。2026年10月26日の時点で大阪府内のキャンパスに募集終了の表示はありませんでしたが、北海道の札幌大通キャンパスでは2027年4月入学の週5が第1期で締め切られていて、実際に起きることだと分かります。計画の定員が小さいキャンパスで週5を考えているなら、早めの期に出願しておくと安心です。
人が多いキャンパスには出会いの数があり、小さめのキャンパスには顔を覚えてもらいやすい良さがあります。どちらが本人に合うかは、見学のときの空気で判断するのがいちばん確かです。
江坂キャンパスは、いまは通学キャンパスではない
「N高 江坂キャンパス」と検索すると、吹田市の江坂キャンパスが出てきます。ここは、2026年10月時点では通学のキャンパスではありません。
江坂は2019年4月に、心斎橋の生徒が増えたことを受けて、大阪で2つ目の通学キャンパスとして開校しました。その後、2021年4月に通学コースは梅田キャンパスへ移転・増床し、江坂にはスクーリング(面接指導)の会場が残りました。いまの公式のキャンパス一覧では、江坂は「全国拠点のスクーリング会場」に分類されていて、北海道北広島・ところざわサクラタウン・名古屋千種・福岡博多と並ぶ全国5か所の1つです。キャンパスのページにも、通学頻度や見学の案内はありません。
通学キャンパスだったころの江坂については、2021年3月の公式ブログに、朝礼のあとに生徒が5分ほどプレゼンをする「朝LT」の様子が紹介されていて、キャンパスにいる生徒は日によって50人程度とあります。
大阪のプログラミングの通学クラスの歩みも、江坂と関係があります。公式の発表を追うと、2018年に「2019年4月に心斎橋で開設」と発表されたあと、2か月後に開設場所が江坂に変わり(このときの発表では定員30名)、2021年4月の梅田の開校とともに梅田へ移りました。梅田の開校の発表では、定員が「通学コース260名」と別に「通学プログラミングコース36名」と書かれています。いまの「プログラミングマスターズパック」の通学型が梅田にあるのは、この流れの続きです。
つまり、江坂は「毎日通う場所」ではなく、年に数日のスクーリングで使われる会場です。どの生徒がどの会場に行くかは、在籍する学校が指定し、年度ごとに案内されます。スクーリングの日数や会場の決まり方はN高のスクーリングは必須?で説明しています。
江坂キャンパス(スクーリング会場)の所在地は吹田市豊津町で、最寄りは江坂駅から徒歩2分です。関連スクールのN中等部の江坂キャンパスは、同じ江坂駅の近くにある別の建物です。
もうひとつ紛らわしいのが、大阪府の「奨学のための給付金」の申請事務局も、吹田市豊津町(江坂)にあることです。書類の送り先として「江坂」という地名を見ても、N高の江坂キャンパスとは関係がありません。送り先は府のページに書かれた住所をそのまま使ってください。
大阪のキャンパスに通う学費
7キャンパスとも、学費は2027年度の生徒募集要項の「リアルキャンパス」の額で、キャンパスごとの違いはありません。
| 週に通う日数 | 初年度の合計 | 国の支援も府の制度も使えない部分(通学コース分) |
|---|---|---|
| 週5 | 1,028,000円 | 955,000円 |
| 週3 | 803,000円 | 730,000円 |
| 週1+ | 368,000円 | 295,000円 |
(2027年度 生徒募集要項の金額。右の列は、コースの入学金・授業料・施設設備費とセキュリティーソフト代を当サイトで足したもの。2026年10月26日確認。学習用のMacBook Air(約16万円)は別)
右の列の部分は、募集要項に「就学支援金の対象外」と書かれている学費です。年ごとの額はN高の学費シミュレーターで、コースの違いはN高の通学コースの選び方で、学費の全体はN高等学校の学費はいくら?で確かめられます。
大阪府の授業料無償化は、N高グループに使える?
使えません。 大阪府の授業料無償化は全国でも手厚い制度として知られていますが、その仕組みを見ると理由が分かります。
大阪府の授業料支援補助金を受けるには、府内に住んでいることに加えて、大阪府教育長が指定した「就学支援推進校」に在学していることが必要です。府の案内では、推進校の指定を受けられるのは近畿の府県が認可した高校で、令和8年度の通信制の推進校は、大阪府の12校と、滋賀・兵庫・和歌山の各1校です。N高(沖縄県)・S高(茨城県)・R高(群馬県)は推進校の一覧に載っていないので、府内のキャンパスに通っていても対象外です。
(出典:大阪府「令和8年度以降の授業料支援制度について」、私立高校生等就学支援推進校の指定手続きについて、私立高校生等就学支援推進校の一覧【令和8年度】。2026年10月26日確認)
ただ、授業料の金額で損をしているわけではありません。府の通信制の補助は、国と合わせて「1単位あたり12,030円」が上限です。N高グループの授業料は普通科で1単位12,000円で、国の就学支援金(私立通信制は1単位13,668円まで・年30単位まで)だけで、対象になる限り全額まかなわれます。仮に推進校だったとしても、授業料がそれ以上下がる余地はない、という計算です。
大阪府の制度は、授業料だけでなく施設整備費なども対象に含むのが特徴です。ただ、それは推進校の学費の話で、N高グループの週5・週3・週1+コースの学費は、国の就学支援金も府の制度も対象外です。「大阪は高校が無償化だから」とN高の通学コースに当てはめると、見積もりがずれてしまうので注意してください。国の支援の仕組みはN高の学費は無償化でどうなる?にまとめています。
府の「奨学のための給付金」は申請できる
授業料以外の教育費に使える府の「奨学のための給付金」(返済不要)は、保護者等全員が府内に住んでいて、所得の要件を満たせば、府外の学校に在学していても対象です。
| 世帯の区分 | 通信制の給付額(年額・令和8年度) |
|---|---|
| 生活保護(生業扶助)受給世帯 | 52,600円 |
| 所得割が非課税の世帯 | 52,100円 |
| 所得割の合算額が100円以上105,500円未満 | 17,370円 |
| 所得割の合算額が105,500円以上182,500円未満 | 13,030円 |
(出典:大阪府「奨学のための給付金」。2026年10月26日確認)
N高グループは府の「大阪府内に所在する学校」の一覧に入っていないので、「大阪府以外の都道府県に所在する学校」として、保護者が府の申請事務局へ郵送で申請します(持ち込みは不可)。学校がとりまとめる国の就学支援金とは窓口が違うので、対象になりそうな家庭は府のページで手続きを確かめてください。令和8年度の府外校の申請期間は7月1日から10月31日(消印有効)でした。2027年4月に入学する人は、翌年度の案内を待つことになります。
東京都・神奈川県・広島県・北海道の制度の違いは、それぞれ新宿代々木キャンパス・横浜キャンパス・広島キャンパス・札幌大通キャンパスの記事で確かめています。
入学試験は梅田で受ける
リアルキャンパスの入学試験は、書類選考に加えて、筆記(35分)とグループワークを含む面接(20分程度)です。入学検定料5,000円と受験料15,000円がかかります。
2026年10月26日時点の公式の案内では、2027年4月入学の第2期(2026年12月5日)の現地会場は、府内7キャンパスの希望者とも梅田キャンパスです。同じ梅田会場で、滋賀・京都・奈良・和歌山・徳島のキャンパスの希望者も受けます(兵庫のキャンパスの希望者は神戸三宮会場)。翌日の12月6日にはオンライン受験もあり、全キャンパスが対象です。会場は期ごとに、出願期間の初日に更新されます。
出願の期と締切はN高の出願はいつ?に、試験の結果で入学できないことがあるのかはN高等学校の受験に落ちることはある?に書いています。
大阪府外から大阪のキャンパスに通う場合
兵庫・京都・奈良などに住んでいて、大阪のキャンパスに通うことを考えている家庭もあると思います。キャンパスは住んでいる都道府県に関係なく選べますが、県や府の支援の制度は、キャンパスの場所ではなく、住んでいる都道府県で決まる点に注意してください。たとえば兵庫県に住んで梅田に通う場合、大阪府の給付金ではなく、兵庫県の制度を確かめることになります。
入学試験の会場も、住所ではなく入学を希望するキャンパスで決まります。2027年4月入学の第2期では、大阪の7キャンパスを希望すれば梅田会場、兵庫のキャンパスを希望すれば神戸三宮会場です(2026年10月26日時点)。近畿の他府県のキャンパスについては、それぞれのキャンパスのページで確かめてください。
大阪で、どのキャンパスを選ぶか
授業の中身が同じなので、選び方は次の順番で考えると整理しやすいと思います。
全国のキャンパスは、地域別にN高・S高のキャンパス一覧で見られます。見学や個別相談は、大阪の個別相談会(キャンパス来校・電話・オンライン)から申し込めて、キャンパスでの校舎見学もできます。説明会の種類はN高の説明会・オープンキャンパスは行くべき?で比べています。
この記事で書いたとおり、大阪は「江坂」も「無償化」も、名前だけで判断すると見立てがずれます。資料には学校案内と募集要項が入っているので、キャンパスのページで分からなかったこと(いまの定員、週1+でほかの平日に使えるか)を見学で聞く前に、どこまで書いてあるかを先に見ておくと無駄がありません。届いたものの中身はN高に資料請求してみたに書いています。
まとめ
- 大阪府内の通学キャンパスは7か所。江坂は2021年に通学コースが梅田へ移り、いまは全国拠点のスクーリング会場
- 心斎橋は代々木と並ぶN高で最初の通学キャンパス(2017年4月)。梅田にはプログラミングの通学型と超!オープンキャンパスがある
- 学費は7キャンパスとも同じ(初年度 週5 1,028,000円/週3 803,000円/週1+ 368,000円)。通学コース分は国の支援も府の制度も対象外
- 大阪府の授業料無償化は、推進校ではないN高グループには使えない。ただし授業料は国の支援で全額まかなわれる。府の給付金は保護者が自分で申請する
- 入学試験の現地会場は、府内7キャンパスとも梅田(2027年4月入学・第2期)