「名古屋でN高に通うなら、栄と名駅のどっちがいい?」
名古屋には「名古屋栄」「名駅」「名古屋千種」と、名古屋の名が付くN高の拠点が3つあります。毎日の通学に使えるのは名古屋栄と名駅の2か所で、千種は年に数日のスクーリングの会場です。
N高等学校の名古屋のキャンパスとは、栄にある名古屋栄キャンパスと、名古屋駅の近くにある名駅キャンパスのことです。 名古屋栄は2018年4月に「名古屋キャンパス」として開いた、東海地方で最初の通学キャンパスです。
この記事では、名古屋の2キャンパスと愛知県内の4キャンパスの違い、3つの名前の整理、学費、そして令和8年度に制度が変わった愛知県の補助がN高グループに使えるかを、公式サイトと愛知県の資料で確かめました。
名古屋の2キャンパスと、愛知県内の4キャンパス
| キャンパス | 所在地 | 最寄り | 開校 |
|---|---|---|---|
| 名古屋栄 | 名古屋市中区新栄町 | 地下鉄栄駅 徒歩2分/名鉄栄町駅 徒歩2分 | 2018年4月(当時は「名古屋キャンパス」) |
| 名駅 | 名古屋市西区那古野 | JR名古屋駅 徒歩8分 | 2020年4月(2024年4月に移転) |
| 東岡崎 | 岡崎市 | 名鉄東岡崎駅 徒歩1分 | 2023年4月 |
| 豊田 | 豊田市 | 名鉄三河線豊田市駅 徒歩4分 | 2025年4月 |
(出典:N高グループ公式サイト「キャンパス一覧」と各キャンパスのページ、開校の発表をもとに当サイトで整理。2026年10月26日確認。全国の一覧はN高・S高のキャンパス一覧に)
4キャンパスとも、平日9:00〜18:00に開いていて、週5・週3・週1+のコースが選べます。公式のよくある質問によれば、授業内容やコンセプトはキャンパスで変わらない(特別講師の招聘などを除く)ので、選ぶ基準は家からの通いやすさが中心です。名古屋市内なら、栄・新栄方面が便利か、名古屋駅方面が便利かで、名古屋栄と名駅のどちらかになります。
キャンパスのページの写真は、愛知県内では名古屋栄だけが説明文つきの7枚です。名駅・東岡崎・豊田のページには「※キャンパスの写真はイメージです」と注記があり、その教室の写真ではありません。
名古屋栄:東海で最初の通学キャンパス
N高の通学コースは、2017年4月に東京・代々木と大阪・心斎橋で始まりました。その次の段階として、2017年6月に「2018年4月に横浜・千葉・名古屋に新キャンパス開校」と発表され、のちに大宮・福岡も加わって、2018年4月に横浜・大宮・千葉・福岡とともに開きました。名古屋栄(当時の名古屋キャンパス)は、このときにできた東海地方で最初の通学キャンパスです(2019年10月時点の全13キャンパスの一覧でも、東海は名古屋だけです)。発表時の定員は200名でした。2024年4月、全国10か所のキャンパス名が変わったときに「名古屋栄キャンパス」になりました。
開校の年の公式ブログには、課題解決型の授業「プロジェクトN」の初回のテーマが「Web映えする写真の撮り方」だったことや、7月入学の転入生5人を迎えたこと、全国8キャンパスを中継でつないだ合同の授業の様子、そして「記念すべき名古屋キャンパス第1回目のキャンパスフェスティバル」を1期生の実行委員が準備する様子が紹介されています。コロナ禍の2020年には、5月25日に仙台・名駅・広島・福岡とともに全国で最初に登校を再開した5キャンパスのひとつでした。その後のブログ(いずれも「名古屋キャンパス」時代)には、名古屋ならではの取り組みが出てきます。
(出典:N高グループ公式ブログ。いずれも記事の時点の取り組みで、いまも続いているかは公式に書かれていません)
2020年11月のキャンパスフェスティバルは、コロナ禍で飲食を禁止するなどの対策をとったうえで、ライブやゲーム大会、謎解き、ビブリオバトル、Zoomでのラジオなどを生徒が企画しました。そのときのスローガンの説明には「NはN高のN、代数のN、そして名古屋のN」とあり、キャンパスへの愛着が伝わってきます(公式ブログ、2021年2月)。
友だちづくりについての話もあります。2020年12月のブログでは、七夕のイベントで1年生から「友だちが欲しい」という声が上がったことをきっかけに、2年生4人と1年生6人の委員会ができ、1年生が中心になって企画したクイズ大会が開かれたと紹介されています。言い出した側の1年生が自分たちで動き、2年生が裏方で支えた例です。
名古屋栄の公式のキャンパスページには、写真の説明として「すべてのキャンパスに3Dプリンターがあり プログラミングなどの書籍も充実」とあります。これは名古屋栄だけの設備ではありませんが、通学コースでものづくりに触れられる環境があることは分かります。
名古屋栄は、2026年10月に確認した時点で、東海の通学キャンパスで唯一「超!オープンキャンパス」を開いているキャンパスでもあります。大学進学や語学、eスポーツなどのブースを回れる大きなオープンキャンパスで、東海の家庭が全体像をつかむには、まずここに足を運ぶのが早いと思います。
なお、2018年には名古屋キャンパスでも通学のプログラミングクラスを開く予定が発表されましたが、のちに延期され、その後開設されたことは公式で確認できませんでした。いまプログラミングマスターズパックの通学型があるのは、全国で新宿代々木と梅田の2か所です(大阪のキャンパスの記事で説明しています)。同じビルの別の階には、関連スクールのN中等部の名古屋栄キャンパスがあります。
名駅:名古屋の2つ目のキャンパス
名駅キャンパスは、2019年7月の発表で「既存の横浜キャンパスと名古屋キャンパスでは、来年度より多くの入学者が見込まれる」として、名古屋の2つ目のキャンパスとして開校が決まり、2020年4月に開きました。開校時は中村区の亀島にあり、2024年4月に、いまの西区那古野へ移転・増床しています。最寄りはJR名古屋駅から徒歩8分です。
名駅の公式ブログ(いずれも移転前の時期)には、プログラミングの授業で3Dモデリングを学び、キャンパスの3Dプリンタで季節のオブジェを作った話(2021年)、N高の行動の指針「Nスタンダード」について毎週2〜3人が発表する会(2021年)、生徒の実行委員が行き先を決める校外学習(2023年)が紹介されています。定員は、2019年の開校の発表では200名、2023年の移転・増床の発表では「移転増床後定員170名」とされています。いまの定員は公表されていません。
2024年2月のブログでは、名駅に通う1年生が、中学校の2年間ほど学校に行けない時期があり、まず登校することを目標にN高に入ったと紹介されています。怖かった「外に出ること」ができるようになっていく達成感があり、「やればできるじゃん!と自信を持つことができました」という言葉が載っています。
公式ブログの生徒と私とでは、時代も学校も違います。それでも、「行きたい」と「怖い」の両方を抱えたまま選べる場所がある、ということは、いまの中学生にも変わらないと思います。選んだときの気持ちは不登校から通信制へ、社会人になるまでに書きました。
千種は、通学キャンパスではない
名古屋の拠点の名前は、地図で探すと混線しやすい組み合わせです。名古屋千種キャンパスの所在地は名古屋市東区葵で、千種区ではありません。最寄りは地下鉄東山線の新栄町駅(徒歩3分)です。一方、通学キャンパスの名古屋栄の住所も「中区新栄町」ですが、こちらは栄駅のそばで、千種の最寄りの新栄町駅からは東へ1kmあまり離れています(公式ページの位置情報から当サイトで計算)。名前に「千種」「新栄」が入っていても、建物も役割も別です。
役割の違いは、公式のキャンパス一覧の載り方で分かります。名古屋栄・名駅は東海の通学キャンパスの欄に、名古屋千種は「全国拠点のスクーリング会場」の欄に載っていて、千種のページには通学のコースの案内がなく、東海の個別相談会の対象にも入っていません。2026年5月の公式ブログでは、「年間約4,000名もの生徒が全国から集まるスクーリングの拠点」と紹介されています。公式で確認できる範囲では、通学キャンパスだった記録もありません。
スクーリングの日数や会場の決まり方はN高のスクーリングは必須?で説明しています。
東岡崎と豊田
東岡崎(2023年4月)と豊田(2025年4月)は、名古屋市外の愛知県内のキャンパスです。開校を発表したときの計画の定員は、東岡崎が150名、豊田が60名で、名古屋栄・名駅(発表時はいずれも200名)より小さく作られています。
東岡崎の公式ブログには、学年を混ぜた4〜6人で週に1回集まり、質問だけで相談者に解決策を考えてもらう「グループコーチング」(2023年度)や、中国語の授業の様子が紹介されています。豊田キャンパスの名前が入った公式ブログは見当たりませんでした。なお、2025年2月にはN高グループの課外授業として、全国の生徒が豊田市足助地区に3泊4日で滞在する体験学習が予定されていました(公式発表)。キャンパスの活動ではなく、希望する生徒が参加する課外授業です。
ネットコースの生徒も含めた活動として、「硬式野球同好会愛知岐阜支部」が週に1回、名古屋市内の球技場で練習していると、2023年の公式ブログで紹介されています。2022年春に5人で始まり、34人まで増えたそうです。通学しない形を選んでも、地域の仲間と集まる場があることは知っておいていいと思います。週に何日キャンパスへ通うかと、学校の外で誰とつながるかは、別々に考えることもできます。ネットコースにするか通学コースにするかで迷っているなら、N高のネットコースとは?で家で学ぶ1日の流れを見てから、通う日数を決めるのもひとつの方法です。
名古屋のキャンパスに通う学費
学費は、どのリアルキャンパスでも、2027年度の生徒募集要項の同じ額です。
| 週に通う日数 | 初年度の合計 | 国の支援も県の補助も使えない部分 |
|---|---|---|
| 週5 | 1,028,000円 | 955,000円 |
| 週3 | 803,000円 | 730,000円 |
| 週1+ | 368,000円 | 295,000円 |
(2027年度 生徒募集要項P.1・P.3。右の列=募集要項で就学支援金の対象外とされる通学コースの学費を当サイトで合計。2026年10月26日確認。MacBook Air(約16万円)は別)
学費の全体はN高等学校の学費はいくら?に、年ごとの額はN高の学費シミュレーターにあります。
愛知県の就学支援金と県の補助は、N高グループに使える?
「愛知県 就学支援金」で調べると、国の就学支援金と、県が独自に出す授業料・入学金の補助の2つが出てきて、混ざりやすいところです。先に分けておくと、国の就学支援金はN高グループにも使えますが、県の授業料・入学金の補助は使えません。 愛知県は令和8年度から、県の補助の「県内在住」の要件をなくし、県内の私立高校に在籍していれば対象にしました。一見、県内のキャンパスに通えば対象になりそうですが、そうではありません。
県の資料では、通信制で補助の対象になるのは、県が名前を挙げた県内の5校(名古屋たちばな・愛知産業大学三河・菊華・中京大学附属中京・ルネサンス豊田)だけです。N高(沖縄県)・S高(茨城県)・R高(群馬県)はこの中に入っていないので、名古屋栄や名駅に通っていても対象外です。県のページにも「愛知県外の私立学校に通われる場合は、学校が所在する都道府県にご確認ください」とあります。
授業料については、それで損をするわけではありません。ここで効くのが国の就学支援金です。県のページの通信制の授業料の上限(年337,200円・1単位13,668円)は、国の就学支援金の上限と同じ額です。N高グループの授業料は普通科で1単位12,000円なので、就学支援金の対象になる限り、国の支援だけで単位制・通信制課程の授業料はまかなわれます。一方で、学費の表の右の列にあたる通学コースの上乗せ分は、愛知県民でも公的な支援で減らすことはできません。
愛知で通信制を比べるときの注意
県の補助の対象になる通信制5校のどこかと、N高グループを比べている家庭もあると思います。そのときに気をつけたいのは、「県の補助が出るかどうか」と「いくら払うか」は別の話だという点です。県の補助は、その学校の学費を軽くするものなので、もとの学費の設定や、通う日数ごとの金額は学校によって違います。
比べるときは、①本人が週に何日通うつもりかをそろえる、②それぞれの募集要項で、その日数の初年度の納入額を見る、③そこから国と県の支援で減る額を引く、の順番で計算すると、実際の負担がそろった条件で並びます。愛知県の授業料・入学納付金の補助は令和8年度から所得制限がないので、県内5校の側で③に効くのは、授業料(国の上限と同額)よりも入学納付金の補助(通信制は最大34,000円)です。端末も違いが出ます。県内の通信制4校(名古屋たちばな・愛知産業大学三河・菊華・中京大学附属中京)には、所得の要件を満たす世帯向けに学習用端末の購入費の補助(上限10万円)がありますが、N高グループの学習用MacBook Air(約16万円)には県の補助はありません。通信制の学費の比べ方の全体は通信制高校の学費を比較に書いています。
県の奨学給付金は申請できる
授業料以外の教育費に使える県の「私立高等学校等奨学給付金」は、本部が県外にある通信制高校も対象と県が明記しています。7月1日時点で保護者が愛知県に住んでいて、所得の要件を満たせば、N高グループの生徒の家庭も申請できます。通信制の給付額は、住民税非課税の世帯で年52,100円などです。学校がとりまとめない場合は、保護者が県の審査事務局へ郵送で申請します。令和8年度は7月1日〜11月20日が申請期間で、2027年4月に入学する人は、2027年度の案内を待つことになります(県のページの年間スケジュールでは、申請用紙の配布は7月ごろからです)。岐阜や三重に住んで名古屋のキャンパスに通う場合は、愛知県ではなく住んでいる県の給付金を調べてください(給付金は住所、入試の会場は希望するキャンパスで決まります)。
全国の通信制の無償化の仕組みは通信制高校の無償化で、国の就学支援金の仕組みはN高の学費は無償化でどうなる?で説明しています。本部が県内の通信制だけを対象にする点は、横浜(神奈川)と同じ形です。ほかの地域の制度は、新宿代々木(東京)・大阪・札幌大通(北海道)・広島・仙台(宮城)・千葉・福岡の各キャンパスの記事で確かめています。
入学試験は名駅で受ける
名古屋栄に通いたい人も、現地で受けるなら会場は名駅です。試験は書類選考と、筆記・面接(グループワークを含む)で、入学検定料と受験料で合わせて20,000円がかかります。
2026年10月26日時点の公式の案内では、2027年4月入学の第2期(2026年12月5日)の現地会場は名駅キャンパスです。名古屋栄・名駅・東岡崎・豊田のほか、岐阜・四日市・福井のキャンパスを希望する人も同じ会場です(静岡県内のキャンパスは静岡会場。静岡のキャンパスの記事)。現地に行かずに受けたい場合は、翌日(12月6日)にZoomでの受験も用意されています。会場は期ごとに、出願期間の初日に公式サイトで更新されます。
出願の期と締切はN高の出願はいつ?に、入学試験で不合格になることがあるかはN高等学校の受験に落ちることはある?に書いています。
名古屋で、どのキャンパスを選ぶか
1. まず全体を見る:名古屋栄で超!オープンキャンパスが開かれる時期なら、まずそこで説明とブースをひととおり回る。なければ各キャンパスのオープンキャンパスか個別相談で
2. 通う道で候補を絞る:栄・新栄方面なら名古屋栄、名古屋駅方面なら名駅、三河なら東岡崎か豊田。週5なら毎日の道なので、混む時間帯に一度たどってみる
3. 候補のキャンパスを個別に見る:キャンパスでの個別相談を申し込むと、相談のあとに校舎も見られる。名駅・東岡崎・豊田は公式の写真がイメージ写真なので、実物を見ておく
4. 通う日数を決める:週5・週3・週1+で、初年度の学費は368,000円から1,028,000円まで変わる
説明会の種類や、保護者だけで参加できるものはN高の説明会・オープンキャンパスは行くべき?で比べています。名古屋は、通う場所を決める前に「どの名前が通学で、どれがスクーリングか」を整理しておくと迷いません。学費表を手元に置いて、通う日数から名古屋栄か名駅かを決めるのが近道です。届いた資料の中身はN高に資料請求してみたに書きました。
まとめ
- 名古屋市内の通学キャンパスは名古屋栄と名駅の2か所、愛知県内は東岡崎・豊田を含めて4か所
- 名古屋千種は全国拠点のスクーリング会場で、通学キャンパスではない(所在地は東区葵)
- 名古屋栄は東海で最初の通学キャンパスで、2026年10月時点で東海で唯一の超!オープンキャンパスの会場。名駅は2024年に移転・増床
- 愛知県の授業料・入学金の補助は、通信制は県内5校だけでN高グループには使えない。授業料は国の支援でまかなわれ、県の奨学給付金は申請できる
- 入学試験の現地会場は名駅(2027年4月入学・第2期)